日銀がマイナス金利政策の適用を始めてから3年が経過した。長引く超低金利環境で副作用が顕在化する一方、消費者物価の伸び率は0%台後半と目標に掲げる2%達成は見通せない状況だ。

 効果よりも副作用の大きさが目立っており、修正が急務である。

 マイナス金利政策は、2013年4月に導入した「異次元緩和」(量的・質的金融緩和)の限界が明白となり、16年2月から実施した。

 世界的な株安や円高が進んでいた関係で、金利を引き下げて景気の先行き不安を和らげる狙いだった。

 確かに、円高進行を一定程度抑えはしたものの、景気刺激の効果は判然としないばかりか、金利低下で金融機関の収益が悪化。信用力が相対的に低い企業への融資が膨らみそのリスクも増大している。

 とりわけ深刻なのが、地方銀行の経営体力の低下だ。

 東京証券取引所などに上場する地方銀行79社の18年4~12月決算では、純利益の合計が前年同期比16・0%減少したほか、8割を超える65社が減益または赤字になった。

 超低金利による貸し出し利ざやの縮小に加え、株式や外債運用の損失拡大が要因だ。

 日本経済は安倍晋三政権下で成長を続け、景気拡大期間は戦後最長を更新したとされる。しかし、地方経済は人口減少や高齢化で疲弊し、地銀の収益悪化に歯止めがかからない状況が続いている。

 さらに、全国的に零細企業や小規模事業者の倒産は増加傾向にあり、返済を猶予した企業を中心に、銀行が再び不良債権処理モードに突入する可能性も出ているという。

 即効性のある処方箋もなく、副作用だけが累積的に強まっている。日銀に対し、業界から不満の声が高まるのも当然だろう。

 経営環境の厳しさは金融機関だけでなく、日本企業全体に広がりつつある。

 上場企業の19年3月期の純利益合計は、前期比5・2%減と3年ぶりの減益になる見通しだ。中国経済の減速とともに、米国の景気にも陰りが見え始め、日本経済に悪影響を及ぼしているのだ。

 日銀は5年以上にわたり、長期国債や上場投資信託(ETF)を大量に購入し、市場をゆがめている。それでも、黒田東彦日銀総裁は、マイナス金利政策を含む大規模金融緩和を続ける方針だ。

 欧米の中央銀行は08年のリーマン・ショック後、緊急避難的に大規模金融緩和を実施してきたが、現在は出口政策への転換に踏み切っている。日銀も早めに道筋を示す必要があろう。

 米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題、日米貿易交渉など、世界経済は先行き不透明感が増している。市場急変など予期しない事態も起こり得る。

 経済が悪化したときに備え追加緩和の余地を残しておくべきではないか。現状の金利政策は、不安が拭えない。