徳島県内の各自治体が、公営住宅の単身入居者の死亡後に残された遺品の扱いに頭を悩ませている。徳島新聞の調査では、1月末時点で県と8市町の計36戸で遺品が3カ月以上放置され、小松島市では最長で約7年にわたる。相続人と連絡が取れなかったり、故人との関係が疎遠で引き取りを拒否されたりするのが主な理由だ。高齢化が進むと、同様のケースがさらに増加する懸念もある。

 3カ月以上遺品が放置されていたのは、県と鳴門、小松島、吉野川、三好、藍住、板野、上板、東みよしの各市町。戸数と最長放置期間は≪別表≫の通り。放置期間は、3カ月~約7年と自治体ごとに異なっている。

 民法では、遺品は配偶者や子ら相続人に所有権が移ると規定。原則として処分する際には自治体が相続人を捜し、全員の同意を必要とするため、簡単に手続きが進まないケースが少なくない。

 藍住町生活環境課の担当者は、町営住宅で約4年間、遺品が引き取られていない部屋の状態について「家電製品や家具、仏壇までもが、入居者が亡くなった当時のまま置かれている」と説明した。

 この事例は、故人に身寄りがなく、入居時の保証人2人も相続人に該当しなかった。担当者は「相続人に連絡が取れず、かといって行政が勝手に処分できない」と話す。

 相続人が見つからない場合は裁判所に申し立て、弁護士などの相続財産管理人を通じて遺品を処分できる。しかし、コストや事務作業の負担が大きく、どの自治体も二の足を踏んでいるのが実情だ。

 小松島市で放置期間が最長のケースは相続人が誰かが分かっていない。市住宅課は「たとえ相続人と連絡が取れても、遺品を処理する資金がなかったり、引き取りを拒否される場合がある」とする。

 県内でまだ動きはないものの、大阪府などは行政が簡易に遺品を処分できるルール作りを国土交通省に求めている。

 県営住宅を管理する県住宅供給公社の三河孝広住宅管理部長は「今後、単身高齢者の入居が増えていくのは間違いない。自治体に負担のかからない法整備を望みたい」と訴えている。