少女たちが搾取されている現状を話す仁藤さん=とくぎんトモニプラザ

 貧困や虐待などで居場所のない少女を支援する団体「Colabo(コラボ)」(東京)の仁藤夢乃代表が徳島市のとくぎんトモニプラザで「少女たちの今」と題して講演した。高校時代に東京・渋谷をさまよっていた自身の体験を基に、少女が性的に搾取されている現状や「伴走支援」の必要性について話した。要旨は次の通り。

 父は高圧的で、怒ると子どもを外に閉め出すような人だった。母とも衝突するようになって家に居場所をなくし、高校時代は渋谷で1カ月のうち25日を過ごすような生活をしていた。ネットカフェで過ごしたり、ビルの屋上で段ボールを敷いて寝たり。心が落ち着くことはなく、いつも「死にたい」と思っていた。

 声を掛けてくる大人は、買春目的のおじさんか性産業のスカウトマンだけ。知らない男に「金を払うからつばを吐いて」と紙コップを差し出されたこともあった。

 街をさまよう少女は今も大勢いる。

 彼女たちは貧困問題を抱えていることが多いが、背景に家庭での暴力やネグレクト、親の病気や性的虐待などもある。

 給食費や修学旅行費用を得るため、または家族に強要されて売春することも。ツイッターなどで宿や食事を提供してくれる男と知り合い、性被害に遭う子もいる。

 居場所をなくし、食事と宿を必要としている少女たちに、性産業の関係者は優しく声を掛けて巧みに近づく。買いたい大人と売りたい大人の需要と供給の上に成り立つ「JKビジネス」の働き手として「親身」に接する。

 日本社会は子どもの性の商品化に対する問題意識が希薄で、未熟で立場の弱い少女が性的に搾取されている。

 にもかかわらず、違法行為をしたり持ち掛けたりする大人ではなく、少女側を批判する風潮も根強い。本人たちも自分が悪いと思い込み、相談し、助けを求めることができない。

 私は、高校中退後に通うようになった「農園ゼミ」での男性講師との出会いによって変わることができた。その人は「だるい」「うざい」などと言う私に理由を聞いてきて、じゃあどうすればいいのかを一緒に考えてくれた。子ども扱いせず対等に、生きていく道をともにつくってくれた。

 恩師のような「伴走支援」ができるよう、コラボの活動に取り組んでいる。少女たちが駆け込める場所としてシェルターを運営し、食事や必要な物品を提供している。街を巡回し、声掛けして支援にもつなげている。

 歯を磨く習慣がなく虫歯だらけだったり、手料理を食べたことがなかったり。関わってみると、厳しい家庭環境の中で暮らしていることが分かる。彼女たちは非行少女ではなく「家族や社会に非行された」少女で、困った子ではなく「困っている子」なのだ。

 徳島に住む少女からも相談が寄せられることもある。都会だけの問題ではない。すぐ身近に、困難を抱え困っている子はいる。彼女たちに手を差し延べ、何かあった時、買春者に付いていく以外の選択肢を社会に増やしていくことが大切だと思う。