徳島を代表するジャズメンで、ドラマーとして活躍し「徳島ジャズストリート」を立ち上げた太田純一郎(おおた・じゅんいちろう)さんが19日午前3時20分、老衰のため徳島市内の病院で死去した。84歳。自宅は徳島市北田宮2の8の8。葬儀・告別式は20日にジャズ関係者らで済ませた。

 大阪府出身。1953年に大阪の米軍キャンプのオーディションに合格し、ジャズの世界に足を踏み入れた。77年に徳島市に移住。自らのバンドを率いるなどして精力的にライブを開き、徳島にジャズ文化を根付かせた。

 88年にはピアニスト佃洋子さん(66)=徳島市富田町2=らと、徳島ジャズストリートを開催。秋田町周辺のライブハウスやバーを会場に、生演奏が繰り広げられるイベントとして定着し、徳島の音楽シーンを活性化させた。エフエム徳島の「酒とジャズの日々」では96年の放送開始当初からパーソナリティーを務め、飾らないトークで親しまれてきた。

 佃さんは「音楽とお酒が好きで、生き方自体がジャズだった。徳島のジャズ文化を創(つく)り上げ、ジャズメンとして生きた84年の人生に、本人も悔いはないと思います」と声を詰まらせた。