サッカーJ2の2019年シーズンがきょう開幕する。昨年は11位と不本意な結果に終わった徳島ヴォルティスは心機一転、選手を大幅に入れ替えてスタートを切る。

 チームが目指すのはもちろんJ1復帰である。今年のスローガン「一陽来復」には、悪い時期は過ぎ、いい状況が巡ってくるという意味がある。「復」には再びJ1の舞台に立つとの決意を込めた。選手もファンも「今年こそは」との思いが強いだろう。

 初戦は敵地で、J3から昇格した鹿児島と対戦する。Jリーグ通算15年目のチームとして貫禄を見せ、白星で開幕戦を飾ってもらいたい。

 選手の顔触れは大きく変わった。昨年、得点源となったウタカ、バラルの両外国人FWが移籍し、32人のうち半数の16人が新加入となる。チーム発足時の課題は、攻守両面の陣容の構築だった。

 外国人FWが抜けた穴は、昨季に新潟で9得点を挙げた河田篤秀選手や清武功暉選手、岸本武流選手の新加入組が埋めそうだ。いずれも若く得点感覚に優れており、徳島での成長が期待される。

 中盤は主将3年目の岩尾憲選手をはじめ、層が厚い。徳島県出身の表原玄太、小西雄大、藤原志龍の各選手のほか、新しく野村直輝、鈴木徳真両選手らも加わり、激しい正位置争いを繰り広げる。

 DF陣にはオランダ人の長身のバイス、鈴木大誠の両選手らが入り、存在感を示している。昨年苦しんだセットプレーへの対応に光明が差しそうだ。

 何より重要なのは戦術理解である。指揮を執って3年目のロドリゲス監督が掲げる「攻撃的で面白いサッカー」を実現するには、全選手のハードワークと戦術の共有が欠かせない。

 キャンプでは、サイドを使って相手守備を崩したり、中央で縦の速いパスを入れたりする練習を繰り返し、攻め方を確認。J2には守備を固めるチームが多いことから、カウンター攻撃への対応にも力を入れた。

 J2チームとの練習試合は3戦3勝し、戦術の共有が順調に進んでいることを印象づけた。開幕後も連係を磨いて、修正を加えながらチーム力を高めていかなければならない。

 昨年、主力選手がシーズン途中に相次いで移籍し、かつてない苦境に立たされた。しかし、強化担当者らを中心に素早く補強に動き、チームを立て直した。何が起きても最後まで諦めないクラブの底力を示した。

 背景には、着実に増えている熱いファンの存在がある。ファンにいい試合を見せ、地方からJリーグを盛り上げたい。選手、スタッフにはそんな強い使命感がある。

 3月3日のホーム初戦に向け、クラブは「一万来福」と銘打って1万人の来場を呼び掛けている。家族や友人を連れて、ヴォルティスの勇姿に声援を送ろう。