事故を起こしたトラック運転手が休憩することになっていた淡路島南パーキングエリア。運転手は運行計画に反して休憩を取らなかった=兵庫県南あわじ市

 2017年8月、徳島県鳴門市大津町の徳島自動車道で、マイクロバスに居眠り運転の大型トラックが追突し、16人が死傷した事故から25日で1年半。国土交通省が委託した「事業用自動車事故調査委員会」の報告書では、運送会社は長時間連続で運転するなどの基準違反を運転手が繰り返していながら、人手不足から乗務を継続させていたことが明らかになった。県内でもトラック運転手の人手不足は深刻で、現場から「事故は人ごとではない」との声も上がる。
 
 1月に公表された調査結果によると、事故を起こしたトラック運転手は常習的に1~4時間遅刻していたため、勤務全体に占める休憩時間が短かった。運転中に所定の場所で休んでいないなど、運行計画に反する行為を繰り返していた。

 調査委に対し、運送会社は「乗務させないぐらいの対応をしないと改めないと思ったが、代わりがおらず仕方なく運転させていた」と説明。求人を出しても適正な人材の応募がなく、採用できなかったという。

 徳島労働局の雇用状況調査によると、トラック運転手が大半を占める「自動車運転の職業」の昨年12月の有効求人倍率は1・95倍(フルタイム)。全体値の1・46倍を0・5ポイント近く上回っている。

 県トラック協会は「人手不足はここ3、4年で特に顕著」と指摘する。輸送単価の低下や燃料・車両価格の高騰から、事業者が高い賃金を支払えなくなったことなどが原因。郡信彦専務理事は「高齢化が進んで事故を心配する経営者は多いのではないか」と話す。

 調査委は再発防止策として「拘束時間や休息時間の基準を順守し、休憩時間が十分確保できる運行計画の作成と徹底」などを事業者に求めている。

 現実にはコスト削減のため、運行時間が長くなる一般道を走らせて運転手に負担を強いる行為も横行する。県内の運送会社で働く男性運転手(58)は「会社に戻った途端、『人がいないから行って』と言われて連続で運転することがある。無理がたたり事故を起こすのが怖い」とこぼした。