約30年前に描かれた壁画再生に取り組む春野部長(右)ら=阿南市那賀川町の出島海岸

 阿南市の那賀川町商工会青年部が、約30年前に描かれた防潮堤の壁画を再生させる。多くの青年部員が幼少期に関わった全長約3キロの壁画は長年の風雨で色あせ、周辺は草木が覆っている。新たな絵で防潮堤を彩ろうと、全国から描き手を募るとともに、インターネット上で資金を集めるクラウドファンディング(CF)を行い、思い出の地の復活を目指す。

 再生するのは、那賀川河口北側に延びる出島海岸沿いの防潮堤に描かれた壁画。1990年に地元の町おこしグループが「世界一長い壁画に挑戦しよう」と企画し、呼び掛けに応じた市内外の約7千人が思い思いの絵を描いた。

 しかし30年近くたって壁画の大部分は消えかかり、防潮堤周辺や海岸に通じる市道沿いには不法投棄された廃家電や家庭ごみが散乱している。青年部員の多くが子どもの頃に壁画を描いており、町の名所として復活させることにした。

 地元の住民団体に協力を呼び掛け、5月に実行委員会を発足させる。6年かけて仕上げる計画で、第1弾として11月に北端の500メートル区間に絵を描く。

 CFは6月ごろを予定し、ペンキ代などの経費を集める。支援額によって壁画を描く権利や記念品を贈る。

 春野祐治部長(33)と岡本雅志副部長(33)=ともに同市那賀川町、建設業=は「海岸線に絵を描いた体験は一生の思い出。住民が誇れる場所として復活させたい」と意気込んでいる。