「竹粉エンジン」に燃料を入れる宮城学長=板野町犬伏の徳島工業短期大学

 徳島工業短期大学(板野町)と阿南高専(阿南市)は、竹を細かく砕いた粉を燃料として使う「竹粉エンジン」を開発し、27日、大学構内で一般公開した。実用化されれば、放置竹林を有効利用した発電システムの構築や、環境配慮型バスなど車両の動力源としての活用が期待される。

 竹粉エンジンは、軽油を燃料とするディーゼルエンジンを一部改良した単気筒(排気量290cc)。直径0・1ミリのパウダー状にした竹粉を空気と一緒にシリンダーに入れ、軽油で点火した種火に当てて爆発を起こし、そのエネルギーでエンジンを回転させる仕組み。特許を出願し、昨年登録されている。

 最大出力は5馬力。従来のディーゼルエンジンと比べ、4分の1以下の燃料で同じエネルギーが得られる。排出される二酸化炭素は竹が大気中から吸収したものに由来しており、環境にも優しい。

 エンジンの出力は、竹粉の量の増減で回転数を調節して制御する。排熱は300~500度と高温になるため、竹粉の投入容器に排気管を当て、竹粉を乾燥させる方法を考案した。放置竹林の竹を燃料として竹粉エンジンを動かす際、伐採した竹から作った竹粉を乾かしながら使うことを想定している。

 徳島工業短大の宮城勢治学長(72)をリーダーに3人が共同開発した。宮城学長は、竹を加工する機械などを開発する、阿南高専発のベンチャー企業・バンブーケミカル研究所(阿南市)の業務に携わっており、自身が30年以上研究を続けているエンジンに活用することにした。

 今後、発電機のエンジンとして余剰電力を売ったり、竹粉製造機の動力源として活用したりすることを検討している。今年は開発実験を繰り返して学術的なデータを取り、来年にも日本機械学会で論文を発表する。

 宮城学長は「実用化すれば、全国で問題化している放置竹林の解決策になり、地域の活性化にもつながる。中国や東南アジアなど、竹のある地域ならどこでも有効活用できるような技術にしたい」と話している。 

 多様な用途の動力源に 

 徳島工業短大と阿南高専が共同開発した竹粉エンジンは、構造がシンプルで故障しにくいため、長時間連続の運転が可能。数百万円で実用化できるといい、さまざまな用途の動力源として活用が想定される。

 タケノコ生産者の高齢化が原因で、放置竹林は全国各地で問題になっている。県内では電気機械製造の藤崎電機(阿南市)が、竹を燃料にしたバンブーバイオマス発電の事業化を進める。阿南高専発のベンチャー企業・バンブーケミカル研究所も、放置竹林の解消へ小松島市と連携協定を締結し、竹の自動粉末化装置を開発している。放置竹林が収入源となれば、雇用を生み出す。「竹粉バス」が走れば、環境に優しいだけでなく観光の目玉にもなりそうだ。