高橋久美子さん
「ディアガール おんなのこたちへ」

 ロックバンド・チャットモンチーの元ドラマーで、作家・作詞家として活躍する高橋久美子さん(愛媛県出身)が翻訳を手掛けた絵本2冊が出版された。母親が娘に伝えたいメッセージを込めた「ディアガール おんなのこたちへ」(主婦の友社刊、1300円)と、父親と娘の日常を描いた「パパといっしょ」(トゥーヴァージンズ刊、1500円)。いずれも親子の絆と温かい雰囲気が感じられる。

「パパといっしょ」

 

 「ディアガール」は、絵本作家エイミー・クラウス・ローゼンタールが、卵巣がんの闘病中に娘パリスと執筆した作品。誰かと比較して落ち込むのではなく、そのままの自分でいいと、読者に語りかけるような優しい言葉でつづられている。

 高橋さんは「誰かと比べて自分に自信が持てない女の子は多い。子どもはもちろん、思春期の女の子や大人の女性…と、どの年代の人の胸にも響く作品」と魅力を語る。

 翻訳では、日本と米国の文化の違いを意識して、日本の読者に届きやすい表現を心掛けた。「アメリカは自己主張をする文化なので、原文もはっきりきっぱり言い切る表現が多い。それだと日本では強すぎると感じたので寄り添うような繊細なニュアンスに苦労した」。教訓本にならないように、思わず笑ったり心が癒やされるような詩的な言葉がちりばめられている。

 「パパといっしょ」はウクライナ出身のイラストレーター、スーシーのデビュー作。体が大きく、包容力がある父親と幼い娘が柔らかい雰囲気で描かれ、二人の絆の強さや対等な関係が伝わってくる。「絵のお父さんは大きくて柔らかくてふかふか。お母さんとは違う、お父さんの大きさと親友のような絆に引き込まれる。ぜひお父さんと子どもが一緒に読んでほしい。これから父親になる人にプレゼントしたいという声もよく聞きます」

 文章は娘の視点でつづられている。「英語には丁寧語がないので、どれくらい子どもらしく表現するかに悩んだ」。淡々とした印象の原文を、子どもがお父さんを自慢するように生き生きと表現している。

 翻訳する際に心掛けているのは、絵本の根底にあるものを探ること。読む人の心に作者の思いを届けるためには大胆な意訳も恐れない。「作者が一番大事にしていることが伝わればいい。翻訳というよりも原作者との共作のような気持ちで取り組んでいます」

 絵本の魅力を「疲れていても簡単に手に取ることができるところ」と話す。親子で一緒に楽しめるだけでなく、大人も折に触れて読み返すたびに新たな発見がありそうだ。高橋さんは「心の栄養になる、疲れたときの特効薬。いつも手元に置いて開いてほしい」と話している。

 

絵本出版イベント

 ★大人のための翻訳ひもとき講座

  絵本の原文と翻訳後の文章を読み比べて、どのように翻訳作業を進めたのかを解説する。
  日時:2019年3月20日19:00~
  場所:徳島市万代中央ふ頭 アクア・チッタ
  料金:要予約 2000円(菓子・お茶付き)
  電話:088-679-8001 アクア・チッタ

 ★トークショー&ワークショップ

  読み聞かせやメッセージカード作りをする。
  日時:2019年3月21日14:00~
  場所:平惣徳島店(徳島市沖浜)
  料金:無料(事前申し込み制)
  電話:088-622-0001 平惣徳島店