これほどたびたび、さまざまな人からあしざまにののしられる大統領を寡聞にして知らない。超大国アメリカのリーダーなのである。批判にも、それなりの配慮があってよさそうなものだが、容赦ない

 ベトナムでの米朝首脳会談と時を同じく、トランプ氏の顧問弁護士だった元腹心のコーエン被告の下院公聴会が開かれた。全米の関心は朝鮮半島の核問題よりも、こちらの方に集中したようである

 こんな証言をしている。トランプ氏の不倫問題を巡り、自身の資金から女性に口止め料を支払った後、トランプ氏から分割払いで補填を受けるなど、「選挙資金法令を破る犯罪計画」に深く関わった、と

 こうも言った。「彼は人種差別主義者でペテン師だ」。証言の行方がよほど気になったのかトランプ氏、ツイッターで反論している。首脳会談の日程のさなかにである

 北朝鮮の金正恩委員長に足元を見られたのでは、との指摘も、あながち的外れとはいえまい。不倫問題が、世界の安全保障の障害になるとは、火遊びの代償としては高すぎないか。超大国のリーダーにはおよそ不向きな人である

 ヒトラーは選挙で選ばれた。もちろんトランプ氏も。過去のいずれの政体よりもまし、とは言うものの、民主主義にも欠陥があるようだ。来月は統一地方選。1票の影響力は想像以上に大きい。