「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」。このことわざには、あれこれと言い回しがあって、例えば「問うは当座の恥、問わぬは末代の恥」「聞くは一旦の恥」「知らずば人に問え」とも

 知らないことは恥ではない。知らないままにしておくことこそが恥である。とは言うものの、地元紙の記者が地元で生産されている米の有力品種を知らないとは、かなり恥ずかしい。「あきさかり」。正直申し上げて初耳だった

 日本穀物検定協会が発表した2018年産の食味ランキングで、徳島県北部産あきさかりが特Aの評価を得た。県内産の米が最高ランクに認定されたのは、過去30年で初めてだという。周辺の産地で一人取り残されていただけに、遅ればせながらである

 暑い夏でも米粒が白濁しない長所がある。JAによると「もちもちした粘りと甘みが魅力」だそうだ。食わぬは末代の恥、と言えば大げさだが、お墨付きをもらった地元産米、早速試してみよう

 140ヘクタールほどだった16年、県の奨励品種となり、猛然と作付面積を広げている。今やコシヒカリ、キヌヒカリに次ぐ勢力で、19年産は1500ヘクタールにまで拡大する見通し

 開発したのは福井県。それはそれで徳島の水に合っていたということだろうが、いつかは自前のブランド米で、食味ランキングを席巻したい。夢ではないはずだ。