民主党の新しい顔を決める代表選が告示された。

 立候補したのは長妻昭元厚生労働相、細野豪志元幹事長、岡田克也代表代行の3氏である。

 2012年末に政権を失って以降、低迷が続く党をどう立て直すのか。他の野党とどう連携していくのか。新代表には、党再生に向けた道筋を明確に示すことが求められている。

 先の衆院選で自民党が「1強体制」を維持した中、対抗する野党の役割はますます重要になっている。野党第1党として民主党の責任は重い。

 各候補が主張を戦わせる代表選は、投票資格を持つ議員や党員・サポーターだけではなく、広く国民に党の存在をアピールする好機である。

 理念と政策を分かりやすく訴え、熱い議論を交わすことで、信頼回復への一歩にしなければならない。

 きのうの共同記者会見で、長妻氏は「民主党は何をしているのか分からないとの声が多い」と説明。アベノミクスで広がった格差の是正に取り組む姿勢を打ち出した。

 細野氏は「過去と決別し、民主党は変わったと国民に思ってもらえるようにしなければならない」とし、共生と多様性の大切さを訴えた。

 代表を経験し、副総理などの要職を担った岡田氏は安定感を強調。「過去の全否定ではなく、原点に返って新しい民主党をつくる」と話した。

 党を変えなければいけないとの意気込みはうかがえた。では、どう変えていくのか。

 3氏はそれぞれ「徹底的に政府を追及する姿勢を示す」「地方から党を再生することが重要」「女性や若い人、地方で頑張る人を再結集する」などと語った。

 どれも今の党に欠けていることだ。風頼みではなく、地域に根差した足腰の強い党に変えなければならないのは言うまでもない。

 集団的自衛権の行使を認めた安倍政権の閣議決定には、3氏とも危険性を指摘し、撤回を求めた。

 ただ、細野氏は政府が挙げた事例について、基本的に個別的自衛権で対応できるとし「その枠に全て収まるかどうか、しっかりと議論する」と表明。岡田氏も「国民の半数以上の賛成がないままの」閣議決定は撤回すべきだと、含みを持たせた。

 安倍政権は近く召集される通常国会に、安全保障関連法案を提出する方針だ。曖昧な姿勢では問題点を追及し切れまい。立場を明確にすべきである。

 巨大与党に対峙するには、野党の連携が欠かせない。

 取り沙汰される維新の党との合流には、いずれも慎重な姿勢を見せた。政策の違いが大きいためで、妥当だろう。他の野党も含め、一致点を見いだしながら共闘を進める必要がある。

 民主党が政権を失った要因の一つは、党内がばらばらだったことだ。意見の違いがあるのは当然だが、政治理念や基本的な政策で割れ、抗争を繰り返すようでは、国民から見放される。

 議論を重ね、決めたら従う党にしなければとの認識は、3氏とも共有している。新しい代表に求められるのは、強力なリーダーシップと実行力である。

 代表選は党再生の最後のチャンスと捉え、危機感を持って臨んでもらいたい。