果たして再生の一歩となるのだろうか。
 
 民主党は代表選を行い、決選投票の結果、岡田克也代表代行が細野豪志元幹事長を逆転で破って、新代表に選出された。
 
 低迷が続く党の再建を、副総理、外相などを歴任した経験豊かな岡田氏に託したといえる。
 
 通常国会は26日に召集され、4月には統一地方選が行われる。安倍政権に明確な対立軸を示すことができるのか。いきなり新執行部の実力が試されることになる。
 
 代表選は岡田、細野両氏と長妻昭元厚生労働相の3人で争われた。3陣営による激しい票集めにより、党内にあつれきも生じている。
 
 岡田氏は党役員人事など新体制の足固めを急ぐとともに、挙党体制の確立に尽くす必要がある。
 
 代表選最大の争点は党再生の在り方だった。3氏ともに「信頼回復」の重要性を強調した。それぞれに意気込みは伝わってきたものの、具体的にどこを、どう変えていくのか、肝心な部分が議論からは見えにくかった。
 
 岡田氏は「消費者や生活者の立場に立つ改革政党という原点に立脚して党を立て直す」と強調した。また、実行本部を設けて党改革に取り組むことも表明している。
 
 民主党への国民の失望は大きく、再生への道は遠く険しい。風頼みの体質から脱却し、逆境を乗り越えられる忍耐力を備えた組織に、どうやって生まれ変わらせるか。岡田氏の手腕に注目したい。
 
 民主党にとって、代表選は国民に存在をアピールする場となったが、十分に生かしたとは言い難い。むしろ野党再編をめぐる岡田、細野両氏のやりとりはあらためて未熟さを印象づけた。
 
 安全保障や経済、原発・エネルギーなどの基本政策で、3氏に相違が目立った。民主党がどのような国を目指しているのか、国民には分かりにくかったに違いない。
 
 政権担当能力を国民から疑われるのは、政治理念や基本政策でまとまりに欠けているからだ。
 
 新執行部は基本政策について徹底的に議論を重ねて、方向性の集約に努めなければならない。
 
 通常国会は「安保国会」と呼ばれており、特にばらつきがある安全保障政策を議論するには絶好の機会である。
 
 政策を曖昧にしたまま党内融和をアピールするようでは、とても再生はできまい。
 
 岡田氏は自主再建に取り組む構えだが、党内には野党再編を求める声もくすぶっている。安定した党運営には、いかにして求心力を高めるかが鍵となるだろう。
 
 昨年末の衆院選で圧勝した安倍政権は、選挙戦では主要な争点とならなかった安全保障法制や原発再稼働なども「信任を得た」と押し進める姿勢を見せている。
 
 国民の意見が分かれる重要政策では、信頼できる野党の存在が欠かせない。多様な声を国政にどう反映させるか。野党第1党としての民主党の責任は重い。
 
 政権を担うためには、党組織を地域に根付かせることも重要である。
 
 議員一人一人が自分の足で地域を歩いて、有権者の声に耳を傾ける。そうした地道な努力を積み重ねること以外に信頼を取り戻す道はない。