子どもは脳が未熟でけいれんを起こしやすいことが知られています。子どものけいれんの多くは熱性けいれんで、普通は1~2分で自然に止まることが多いものですが、中には長時間持続することがあります。長時間続くけいれんはけいれん重積症と呼ばれ、放置すると生命に関わることがあり、神経学的後遺症を残すこともあります。今月はけいれん重積症について考えてみました。

 けいれんは血圧などの循環・呼吸・代謝など体内の生理的な現象に影響を及ぼします。

 短時間のけいれんであれば血圧は上昇しますが、呼吸抑制のために血液中の酸素濃度は低下し、これが続くと二酸化炭素の貯留を来し、血液㏗の低下や乳酸・血糖・カリウムの上昇を招きます。けいれん発生時には中枢神経における酸素必要量が増加しますが、血圧上昇によって脳血流量も増加することで代償されます。けいれんが長く続くとこれらの生理学的な異常が元に戻り難くなります。

 けいれんが30分以上続くと血圧は低下し、脳血流量が減少しますから、中枢神経は酸素不足およびエネルギー欠乏状態になります。さらにけいれん重積状態が何時間も続くと低血圧、肺水腫、不整脈、アシドーシス、低血糖、高カリウム血症、腎不全を来し、生命に関わる状態になります。中枢神経では脳浮腫、脳虚血、エネルギー欠乏状態になり、中枢神経細胞が障害されて後遺症の原因になります。

 けいれん重積症を来す児には中枢神経系の疾患が隠れていることがあります。出来るだけ早くけいれんを止めると同時に、けいれんの原因を検索することが大切です。