徳島県議会2月定例会が開会し、飯泉嘉門知事が所信を述べた。

 知事、県議ともに改選前最後の定例会となる。3期12年の飯泉県政が徳島にどんな成果をもたらし、未解決の課題として何が残っているのか。県議会はこれまで十分に検証したとはいえない。

 今定例会では、当面の課題と合わせ、飯泉県政を総点検すべきである。

 県内では昨年、豪雨、大雪の被害が相次いだ。30年以内に70%の確率で起きるとされる南海トラフ巨大地震までの残り時間も、確実に短くなっている。

 人口減少、少子高齢化は急速に進んでおり、地域の存続さえ危ぶまれている。

 昨年4月の消費税増税後の景気回復の遅れ、円安による企業の収益悪化もあって、県内経済や県民生活はよくなっているとは言い難い。

 こういった難題にどう立ち向かっていくか。知事、県議に課せられた責任は重い。

 提案された新年度一般会計当初予算案は、4月の知事選を控え、義務的経費中心の骨格予算となった。ただ、防災・減災を柱とする安全安心対策、地方創生と絡めた人口減少対策、経済雇用対策などに重点を置き、本年度当初比で92%を確保した。

 各県議は、行政ではなく県民の目線で、事業と予算が適切か、丁寧にチェックしてもらいたい。

 知事は所信で、安全安心対策に関して「致命的な被害を負わない強さと、速やかに回復するしなやかさを持った地域社会の構築を目指す」と述べた。

 県は、あらゆる災害を想定した県土強靱化計画を近くまとめる。この計画にどれだけ実効性のある施策を盛り込めるか。豪雨、大雪被害の反省も踏まえ、具体的な提言を県議に求めたい。

 地方創生について、知事は「絵に描いた餅」ではなく、「おいしく食べられる餅」となるよう、「覚悟」を持って取り組むと強調した。

 県は人口減対策の5カ年計画(2015~19年度)となる「県総合戦略」の策定を進めている。石破茂地方創生担当相は、やる気と知恵のあるところは支援する方針を打ち出している。

 やる気と知恵が求められるのは県議会も同じである。人口減に歯止めをかけるにはどうすべきか、持続可能な地域づくりには何が必要か。それぞれがアイデアを出し、議論を深める必要がある。

 経済・雇用対策として不可欠なのが企業誘致だ。

 県内の恵まれたブロードバンド環境を背景に最近、神山町や美波町、三好市にサテライトオフィスの進出が目立つ。この動きを広げ、さらに製造業も含め、本社機能の県内移転につなげたい。

 移転経費の補助事業などが新年度予算に盛り込まれており、着実に結果を生むことが求められる。

 税制改正大綱では、地方へ企業が本社機能を移したり、地方での雇用を増やしたりした場合に減税される制度も示された。東京一極集中の是正と地方重視の流れがいつまで続くかは不透明だ。徳島はこの好機をしっかり生かさなければならない。

 4月には県議選も控える。議員は浮き足立つことなく、県民のために中身の濃い論戦をしてもらいたい。