徳島県議会2月定例会の代表・一般質問が始まった。

 知事、県議ともに改選前最後の定例会である。4選出馬を表明している飯泉嘉門知事の3期目の県政の総括に期待したが、初日は踏み込み不足との印象は拭えなかった。

 新年度は「地方創生元年」で、各地方にとっては勝負の年である。昨年末、東京一極集中の是正に向けた「総合戦略」が閣議決定されたのを受け、県は人口減少対策の地方版5カ年計画(15~19年度)となる「県総合戦略」の策定を進めている。

 少子高齢化が進む中、県議は「地方同士で知恵比べが始まる。過疎地域にとっては最後のチャンス」と、徳島ならではの戦略づくりを求めた。

 飯泉知事は「都市から地方への人の流れや雇用を創出し、地域の活性化につなげる『とくしま回帰』を基本目標の柱に据える」と答弁。「サテライトオフィス(SO)の立地など全国をリードしてきた成果を進化させた、具体的な施策の方向性を打ち出したい」と述べた。

 県議らが、若者の定住促進に向けた産業振興や技術者らの人材育成、観光振興など地域や産業の活性化に大きな関心を寄せたことからは、このままでは、高齢化と人口減で地域が崩壊しかねないとの危機感がくみ取れた。

 知事は、神山町にSOを置く企業などが手掛ける次世代高画質放送「スーパーハイビジョン」関連の産業振興や、徳島の地酒を育む酒米産地づくりなど農業育成を推進する姿勢を強調。秋のアスティとくしまでの阿波踊りイベント開催など観光振興に取り組むことも明らかにした。

 徳島には先端産業から農林水産業まで豊富な資源と潜在力がある。戦略づくりに生かさなければならない。

 知事はプレミアム(特典)を昨年より向上させた地域商品券を4月に発売し、地域消費を喚起する考えを示した。地方創生に向けた国の交付金制度を利用した取り組みであり、その効果に期待したい。

 防災対策の在り方もあらためて問われた。

 昨年8月の台風豪雨では那賀川流域に大きな浸水被害が生じたほか、12月には大雪の影響で、県西部の市町で数多くの地区が孤立する深刻な事態になった。

 知事は、那賀川流域で災害防止に向けた河川整備や土砂の撤去を進めるとの認識を表明した。県西部の孤立化対策では、道路の強化やヘリポートの整備、衛星携帯電話など通信手段の整備を、県が策定する国土強靱化・地域計画の中に位置付けるとした。

 県、徳島市、JR四国が進めている市中心部の鉄道高架事業の早期着工を求める声もあった。

 多岐にわたる質問からは、本県の現状が極めて厳しいことがうかがえた。その中で、先端産業に関する積極的な推進施策、林業振興策など、知事を評価する声が少なからずあった。

 一方で、飯泉県政の不十分な点について、県民に示したとは言い難い。

 県議会には、県政に提言を重ねるだけではなく、チェック機能を果たす責務がある。

 難題が山積し、景気回復の波及が遅れる中、県民は豊かさや県勢伸長を実感できていない。なぜなのか。きょうからの一般質問で掘り下げてもらいたい。