4月12日に投開票される徳島県知事選の告示まで1カ月となった。
 
 これまでに立候補を表明しているのは、4選を目指す無所属で現職の飯泉嘉門氏と、共産党公認の県議で新人の古田美知代氏の2人である。
 
 ほかに動きは見られず、一騎打ちになる可能性が高い。
 
 東京一極集中が続き、地方の人口減少は深刻さを増している。政府は「地方創生」を看板政策に掲げているが、主役となるのは地方である。
 
 そのリーダーを選ぶ知事選は重要な意味を持つ。
 
 さまざまな課題をどう克服し、徳島の未来をどう切り開いていけばいいのか。両氏の主張にしっかりと耳を傾け、県民一人一人が真剣に考えていきたい。
 
 本県の人口は1月1日時点で76万2834人と、前年同期から5824人減っている。減少は16年連続だ。
 
 人口減少を食い止めるには、若者が働ける場の確保や少子化対策に力を入れなければならない。

 県内では、神山町や美波町などに企業がサテライトオフィス(SO)を設ける動きが相次いでいる。LED関連産業の集積も進んでいる。
 
 こうした強みに磨きをかけるとともに、企業の誘致や起業支援、農林水産業や観光の振興、移住促進などに知恵を絞る必要がある。
 
 少子化対策では結婚から出産、子育てまで、きめ細かな施策が求められる。女性の雇用環境を向上させることも重要である。
 
 本県は2020年に65歳以上の人口がピークとなり、その後も高齢化率が上昇すると見込まれている。医療や介護の充実は待ったなしだ。
 
 30年以内に70%程度の確率で起きるとされる南海トラフ巨大地震への備えも、着実に進めなければならない。
 
 一方で、厳しい財政という壁が立ちはだかる。改善してきたとはいえ、本年度末の県債残高見込みは、まだ県の年間予算よりも多い。増大する行政需要と財政再建をどう両立するかが問われている。
 
 飯泉氏は、昨年の県議会12月定例会で「地方創生を絵に描いた餅ではなく県民、国民においしく食べていただける餅とし、日本創生へとつなげるため、本県の取り組みをもう一段高い次元へと進化させるべき時だ」と述べ、出馬を表明した。
 
 続投への強い意欲は分かるが、4期16年となると、多選批判は免れまい。
 
 日本世論調査会が今月実施した全国世論調査では、首長の多選を制限すべきだと答えた人が63%に上り、このうち、4期16年までが妥当とした人は1%しかいなかった。
 
 知事選は、3期12年の飯泉県政の評価を問うものにもなる。飯泉氏は自らの実績を総括し、多選の弊害をどう取り除くのか、明らかにしてもらいたい。
 
 古田氏は先月の出馬会見で「県民の願いはまだまだ届いておらず、県民本意の県政に切り替えたい」と語り、「安心、元気、希望の徳島にするため、暮らしや福祉を守る政治が問われている」と対決姿勢を鮮明にした。
 
 県民が知りたいのは、徳島の未来像をどう描き、実現への裏付けや方策は何かということだ。

 両氏とも、分かりやすく、具体的に公約で提示するよう求めたい。