死者・行方不明者が1万8千人を超えた東日本大震災から、あすで4年を迎える。
 
 あの日、大津波に襲われた東北の沿岸各地では、連日のように工事を急ぐ重機がうなりを上げている。
 
 だが、津波や原発事故の影響で、今も23万人近くの人が不自由な避難生活を強いられており、復興と呼ぶには程遠いのが実情である。
 
 被災者がかつての暮らしを取り戻せるように、復興を急がなければならない。
 
 生活の拠点となる住宅の再建が、用地取得の難航や建設に携わる人手不足の影響からはかどっていない。
 
 プレハブの仮設住宅に暮らす被災者は、ピーク時に比べて3割減少したものの、今でも岩手、宮城、福島の被災3県に計8万2千人近くいる。
 
 阪神大震災では、約5年間で4万8300戸の仮設住宅全てが撤去された。
 
 3県に約5万3千戸が整備されたが、岩手、宮城両県で来年度末までに解体予定は約10%にとどまる。福島県の状況も大きく変わらない。
 
 仮設住宅は長期間の使用でカビや雨漏りなどによる傷みも目立ってきた。高台の土地造成や災害公営住宅の整備を加速させたい。
 
 沿岸部で住宅再建の見通しが立たず、避難先に定住する被災者も数多い。住宅整備の遅れは、沿岸部から人口が流出する一因にもなっている。
 
 宮城県女川町の人口は、震災直前の2011年3月から31・5%減り6805人になった。減少した3127人のうち、転入から転出を差し引いた社会減は2043人に上る。同県山元町、南三陸町や岩手県大槌町の減少率も20%を超えている。
 
 人口減少は全国共通の課題であるが、20~30%もの減少は復興計画にも暗い影が差す深刻な問題だ。
 
 震災後いったんは下がった生活保護受給者の割合が、上昇に転じる自治体が相次いでいるのが気に掛かる。
 
 上昇しているのは宮城県東松島市、岩手県大槌町、福島県南相馬市など10自治体。義援金など一時的な収入で生活保護から脱したが、職を得られず再び受給する人が多いとみられる。
 
 被災地は復興需要で有効求人倍率は堅調だが、求人は建設業に偏っている。非正規雇用者の増加率も全国平均を大きく上回っており、必ずしも雇用環境の底上げにつながっていない。
 
 水産加工業など地場産業が大きな打撃を受けた。生活再建には安定した雇用は欠かせない。産業振興や雇用の拡大への手厚い支援が求められている。
 
 国は来年度末までを特例的に支援する集中復興期間とし、5年間で26兆3千億円を投じる。被災地が広く、高台移転や防潮堤建設といった津波対策が大きい影響で、阪神大震災の3倍近い額である。
 
 復興予算の内訳は、インフラ中心の「まちの復旧と復興」が約10兆円で全体の約40%を占める。一方、被災者支援は2兆円と、インフラ整備の20%にとどまっている。
 
 地元では「インフラ整備に偏っている」との指摘も出ている。
 
 被災者が復興を実感できる支援と言えるのだろうか。
 
 集中復興期間終了を1年後に控えて、生活支援を重視した形に見直すことも検討するべきだろう。