徳島など瀬戸内海沿岸7県を拠点に活動するアイドルグループ・STU48が2月13日に発売した2枚目シングル「風を待つ」のダンスに、徳島伝統の阿波踊りが取り入れられている。振り付けを担当した世界的ダンサーで振り付け家の辻本知彦さんが、阿波踊りの美しさや瀬戸内らしさに着目して間奏部分に採用した。辻本さんは「徳島の皆さんにぜひ注目してもらえれば」と呼び掛けている。

 「風を待つ」は、海沿いの街に住む「僕」が愛する「君」の帰りを待つ心境をつづった歌。振り付けは、瀬戸内海の穏やかな波や風を思い起こさせつつ、メンバーが秘めた強い意志やかわいらしさをシャープな動きで表現したコンテンポラリーダンスだ。

写真を拡大 「風を待つ」の間奏で阿波踊りをイメージした振りを披露するSUT48メンバー=徳島市のイオン徳島(画像を一部加工しています)

 過去にテレビで阿波踊りを見たことがあり「洗練された精神性や男女が見事に対比した動き、連によってさまざまな異なる魅力があることに感動した」という辻本さん。間奏部分で何か変化を付けようと動きを模索する中で、阿波踊りに行き着いたという。

 辻本さんが阿波踊りを取り入れる際にこだわったのが、全体のダンスの中でのバランスだ。「単純に踊るのではなく、全体の流れの中で自然と阿波踊りの雰囲気が伝わるように手ぶり中心とし、メンバー16人がさまざまなフォーメーションで踊るようにした」

 完成したのは、メンバーがくるくる入れ替わりながら軽快に手さばきを繰り出す印象的な振り付け。辻本さんは「これまで担当した中でも特にすてきな作品になった。終盤の全体でのダンスや決めポーズを含め、徳島の皆さんに見てほしい」と力を込める。

写真を拡大 「風を待つ」の間奏で阿波踊りをイメージした振りを披露するSUT48メンバー=徳島市のイオン徳島(画像を一部加工しています)

 辻本さんは徳島県出身のシンガー・ソングライター米津玄師さんとも交流があり「LOSER」などの振り付けや、昨年末にNHK紅白歌合戦に鳴門市の大塚国際美術館から生出演した際にダンスで華を添えたダンサー菅原小春さんの振り付けも手掛けた。

 辻本さんは「紅白歌合戦の時には僕も大塚国際美術館に足を運ばせていただくなど、徳島とはご縁を感じていて、阿波踊りを生で見るために必ずまた徳島を訪れたい。徳島の多くの方に僕のダンスに興味を持って応援してもらえれば」とPRした。

 つじもと・ともひこ 世界的なエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」で日本人男性としては初めてダンサーを務めた。振り付け家としては米津玄師さんの「LOSER」「Flamingo」、RADWIMPSの「カタルシスト」など数多くの振り付けを担当している。【辻本さんの「辻」は正しくはしんにょうの点が1つ】