徳島県の飯泉嘉門知事ら12県の知事が、地方創生に関する政策を国に提言する「日本創生のための将来世代応援知事同盟」を旗揚げした。
 
 人口減少に歯止めを掛け、地方への人の流れをつくることで東京一極集中型社会を変えるとともに、独自の発想力と実行力で地方創生のために行動することをコンセプトとして掲げる。
 
 地方から国の形を変えていこうという取り組みである。40代から50代の若く、発信力のある知事がスクラムを組むことへの注目度は高い。
 
 まず来月、岡山市で会合を開く。女性や若者の就業、子育て支援策など、国に対する提言書も早急に取りまとめる方針だ。地方の目線に立って積極的に国に物申し、難題解決に向けた道筋を示してもらいたい。
 
 人口減少や過疎化の急速な進行は、徳島をはじめとする地方のどこもが直面する喫緊の課題だ。
 
 総務省が発表した昨年10月1日時点の人口推計では、徳島県の人口は前年より6千人少ない76万4千人、減少率は0・76%だった。増加したのは東京など7都県のみ。人口の流入が続く都市部と流出にあえぐ地方の格差が一層広がっている現実が浮き彫りになった。
 
 国立社会保障・人口問題研究所は、2040年時点の県人口が57万人余りにまで減少すると推定している。
 
 飯泉知事は、知事同盟の発足式で「人口減少を何としても克服する。地方創生の旗手として、切り込み隊長として活動していきたい」と意気込みを語った。地方に与えられた時間は多くない。危機感とスピード感を持って取り組まなければならない。
 
 今後、地域間競争がますます激しくなるのは確実だ。知事同盟に参加した12県は、協力関係にあると同時にライバル同士でもある。
 
 しかし、どこかが勝てば、その分どこかが負ける「ゼロサムゲーム」になっては意味がない。12県にあるそれぞれの強みを持ち寄り、先進的な施策を展開するなど、切磋琢磨(せっさたくま)しながら知恵を結集することで活性化につなげてもらいたい。
 
 将来を担う若い世代が安心して暮らし、結婚、出産、子育てができる社会が実現しなければ、東京一極集中の解消などできない。
 
 設立宣言は「若い世代が希望をかなえられる社会を実現する」とうたっている。
 
 ただ、国への提言や働き掛け以外に何をするのか、具体的な活動内容がまだ見えてこない。人口減少対策は、知事が年に何回か会って話をする程度で解決できるほど簡単な問題ではない。
 
 知事同盟は発足させることが目的ではなく、あくまでも地方再生に向けたスタートである。
 
 スローガンやパフォーマンスで終わらぬよう、県民の目に見える成果を出すことが求められている。