「おれおれ詐欺」は平成生まれの犯罪である。本紙が初めて報じたのは2003年7月。「孫や息子を装って『おれだよ、おれ』などと高齢者に電話をかけ・・・」と長い説明が付いていた

 「東京を中心に頻発している」との記述もある。大都市から地方へと広がるのは、事件もその例に漏れない。及んでほしくない事案がまた、東京で問題となっている。「アポ電」が増えているという

 アポイントメント電話の略で、1人暮らしの高齢者宅などに生活や資産状況を尋ねるものを言う。振り込め詐欺に絡むアポ電は従前もあった。気掛かりなのは増加と併せ、アポ電の後に強盗が相次いでいることである

 10日前には80歳の女性が、押し入った3人組に手足を縛られ殺害される痛ましい事件が起きてしまった。振り込め詐欺の手口が、まさか凶悪事件に転用されるとは。事実に慄然とする。徳島県内では発生していないとはいえ、油断は禁物だ

 県警が作った「振り込め詐欺防止音頭」を暗唱してほしい。<一つ、落ち着いて対応を/二つ、すぐには振り込まない/三つ、一人で判断しない/四つ、誰かに相談を/五つ、必ず事実確認を/これで私はだまされない>

 もはやアポ電を受けたなら「四つ、警察に相談を」だろう。ちゅうちょなく。自分は大丈夫と過信しない―。専門家の教えである。