参院の「1票の格差」是正に向けた与野党検討会で、自民党の溝手顕正参院議員会長が、定数の「6増6減」案を基本とし、都道府県単位の選挙区を統合する「合区」案も排除しない考えを示した。

 溝手氏は「現段階で有力なのは6増6減案だ」と強調したが、それで縮まる格差はわずかであり、極めて不十分である。

 だからといって合区案は認められない。地方の意見が国政に届きにくくなるからだ。

 与野党は検討会を再度開いて協議を続ける。来年夏の次期参院選まで、残された時間はあまりない。各党は、地方に配慮しながら議論を前に進めなければならない。

 自民党の6増6減案は改選2人区の宮城、新潟、長野を1人区とし、北海道、東京、兵庫の改選数を1議席増やすというものだ。

 同党の試算では、1票の格差は最大4・31倍への縮小にとどまる。

 最高裁は格差が最大5・00倍だった2010年と、4・77倍だった13年の参院選の議員定数配分について「違憲状態」との判断を示している。13年選挙の判断では、裁判官15人中4人が「違憲」との意見を表明し、うち1人は「選挙を無効とすべきだ」とまで述べた。

 動きが鈍い国会に対して、司法の姿勢に厳しさが増しているのは間違いない。

 次期参院選を格差が4・31倍の6増6減で行った場合、最高裁から「違憲」「選挙無効」を突き付けられる懸念は十分にある。野党だけでなく、自民党内からも批判が出るのは当然だろう。

 自民党は昨年11月、<1>6増6減案<2>鳥取、島根の合区<3>6増6減した上で鳥取、島根を合区-の3案を与野党検討会に提示した。

 合区案は「鳥取、島根」の統合のみだが、今後「徳島、高知」が浮上する可能性は否定できない。検討会に提示する直前まで、党内で取り沙汰されていたからだ。

 いずれも人口が少なく「減らしやすい県から」ということだろうが、それでは、過疎や人口減という深刻な問題に直面する地域の発言権はますます弱まってしまう。統合して改選数が1議席になれば、参院議員が一人もいない県ができる恐れもある。

 これでは地方切り捨てではないか。東京一極集中の弊害が指摘される中、是正を目指す流れに逆行すると言わざるを得ない。

 自民党のほか、民主、公明両党も合区案を打ち出しているが、維新、次世代両党は11ブロックの大選挙区制などを、共産党はブロックを設けた比例代表制を示している。それらも選択肢になろう。

 来年の参院選に間に合わせるため、各党は今国会中に関連法案を成立させる意向だ。意見の隔たりはあるものの、着地点を見いださなければならない。

 地方の立場を反映させるよう求める。