徳島県議会6月定例会が開会した。4月の統一地方選で4選を果たした飯泉嘉門知事と改選された県議にとって、選挙後初の定例会である。
 
 人口減少や過疎、高齢化など、本県が抱える課題は深刻さを増している。そうした中、国が進める「地方創生」では、主役である地方の知恵と行動力がこれまで以上に問われることになる。
 
 飯泉知事と県議には、気持ちを新たに、県民の暮らしの向上や県勢発展に向けて議論を深め、必要な施策に全力で取り組むよう求めたい。
 
 知事は所信表明で「『地方創生のモデル、ひいては日本創生の礎を徳島から築いていくんだ』という誇りを持ち、本県の取り組みをもう一段高い次元へと進化させる」と意気込みを語った。
 
 確かに知事は、サテライトオフィス(SO)の誘致やLEDバレイ構想を目玉政策として進めてきた。自らを「地方創生の旗手」とする自負心も強い。
 
 ただ、SO誘致は他県も力を入れ始めており、競争が激しくなるとみられる。LEDバレイに続く新たな成長産業を育てる必要もある。
 
 知事が言う「もう一段高い次元へと進化」させる施策の手始めとなるのが、本年度の一般会計補正予算案である。骨格編成だった当初予算を肉付けするもので、昨年度の2月追加補正と合わせて「とくしま地方創生・元年予算」と位置付けた。
 
 経済・雇用対策では、光ブロードバンド環境を活用したテレワークの推進やロボット関連産業の創出、農林水産物のブランド力強化などを盛り込んだ。防災などの安全・安心対策、結婚・出産・子育て支援などの少子化対策にも重点を置いたとしている。
 
 地方創生元年にふさわしい予算になっているのかどうか。県議会はさまざまな角度から点検する必要がある。
 
 飯泉県政4期目の運営指針となる「新行動計画」案と、人口減少対策の5カ年計画「県版総合戦略」案、2060年の県人口の目標を60万~65万人超とした「人口ビジョン」案も議論すべき重要なテーマだ。
 
 国立社会保障・人口問題研究所が推計した60年の県人口は約42万人であり、人口ビジョン案はそれより18万~23万人も多い数を目指す。
 
 知事は所信で「県民が夢と希望を持てる本県の未来像」だとし「自然増と社会増の両面から積極果敢に挑戦する」と力を込めた。
 
 目標を高く掲げることに異論はないが、実現するには緻密で大胆な戦略が要る。
 
 総合戦略案は、5年間で4千人の雇用を創出し、25年の合計特殊出生率を1・8(14年は1・46)にするなどとした。そのための方策も経済、福祉、教育の分野などで多岐にわたって打ち出している。
 
 ハードルが高いだけに、実効性が厳しく問われる。県議会でしっかりと議論してもらいたい。