日本列島を過酷な暑さが襲っている。徳島県でも今月2日まで4日連続で猛暑日を記録し、熱中症とみられる症状の人が相次いでいる。暑い場所を避け、小まめに水分を補給するなどの対策を講じて、体調管理に努めたい。

 熱中症の救急搬送は、先月中旬以降、全国各地で急増している。

 消防庁によると、先月20~26日の1週間に全国で7392人が搬送された。6~9月に約4万人を記録した昨年を上回るペースだ。

 徳島県内の搬送者も増えている。徳島新聞のまとめでは、先月は計157人と昨年より17人多くなっている。29日には美波町の60代の男性が命を落とした。

 搬送された人は、発症者の一部とみられる。昭和大の分析・推計では、2013年6~9月の発症者は全国で40万人を超えている。

 このところの発症者の多さは、もはや「災害」と呼ぶべき規模である。

 熱中症は、体内の水分や塩分のバランスが崩れて熱を放出できなくなり、倦怠(けんたい)感や高体温、意識障害などを起こす。重症化すると死に至る場合もある。

 発症リスクは誰にでもあるが、特に気を付けたいのは乳幼児や高齢者だ。

 乳幼児は、汗腺が十分発達しておらず、体温調節がうまくできない。地面と近いほど気温が高くなるため、ベビーカーなどは特に危険にさらされている。

 高齢者は、体温調整の機能が衰えがちとなり、気温の変化や喉の渇きを感じにくいという。

 保護者や周囲にいる人は、表情や行動などに異常がないかどうか、十分気を配ってもらいたい。

 健康な人であっても、運動や作業に集中していると、具合が悪くなっていることに気付くのが遅れがちになる。適当な間隔で休憩を取り、体調をチェックする必要がある。

 予防には、正しい知識や対処法をきちんと学ぶことが欠かせない。

 大切なのは、気温や湿度の高い所で長時間過ごさないことだ。不要不急の外出は避けた方がいいだろう。

 ただ、室内に居ても発症することがあるため、油断は禁物だ。

 国立環境研究所のデータでは、65歳以上の高齢者の場合、半数以上は住宅で発症している。エアコンなどの冷房設備をうまく使うとともに、汗をかいていないと感じるときでも、定期的に水分を補給したい。

 万が一の場合、救命や重症化防止の鍵を握るのは、適切で素早い応急措置である。発症に気付いたら、涼しい場所に移動させて衣服を緩め、体を冷やすことが肝心だ。首や脇の下などに氷を当てると効果がある。意識がなければ、すぐに救急車を呼ばなければならない。

 家族や職場で話し合って備えることが重要だ。