ビットコインなどインターネット上の仮想通貨の法規制に、政府が重い腰を上げた。

 世界最大級のビットコインの取引所だった「マウントゴックス」(東京)の巨額消失事件を受けて、監視体制を強化し、犯罪への悪用防止を目指す。取引所を対象に登録制や免許制の導入などを検討し、来年の通常国会での法整備を図る。

 政府は、ビットコインを金や貴金属と同様にモノとして扱う方針を確認していたが、テロ資金対策を担う国際機関、金融活動作業部会(FATF)の要請もあり、法規制に乗り出すことにした。利用者保護などのルール作りが急務だ。

 ビットコインは、デジタル化されたデータが価値を持つ「お金」である。安い手数料で海外送金ができ、決済手段として使用できる。ネット上の取引所では円や米ドルと交換できる。

 その高い利便性から、国内外で普及が進んでいる。

 海外ではマイクロソフトなどの有力企業の決済に使えるほか、国内でも支払い可能な飲食店などが増えている。国内の利用者は現在3万人に急増しているという。

 仮想通貨は、決済手段としてさらに成長する可能性を秘めている。法規制では、技術革新を阻害しないような配慮も必要だ。

 マウントゴックスの巨額消失事件は今月、代表取締役が逮捕される事態に発展した。

 社内システムのデータを改ざんして、自身の口座の残高を水増しした疑いだ。代表取締役は容疑を否認している。

 昨年、代表取締役は、当時のレートで約480億円相当のビットコインが消失したと公表し、「不正アクセスで引き出された可能性が高い」と説明していた。

 しかし、警視庁の捜査によると、被害の大半は代表取締役による私物化だという。顧客と会社の資金を分けずに銀行口座に入れるなど、管理もずさんだった。

 今回の事件で、取引所の透明性や安全性の問題が明らかになった。警視庁は全容の解明を急がなければならない。

 ビットコイン自体は、非常に高度な技術が用いられることから、不正は不可能とされる。それでも事件が起きたことは、重く見るべきである。

 もう一つの問題は、匿名性の高さから、マネーロンダリング(資金洗浄)などに悪用されることだ。

 このため、海外では規制をかける動きが広がっている。

 米国は既に規制しており、英国も規制する方針だ。中国は金融機関による取り扱いを禁じた。

 日本は、FATFが6月に出した仮想通貨の取引所を規制すべきだとする報告書に基づき、資金洗浄を取り締まる犯罪収益移転防止法の拡大を視野に入れる。

 課題が次々と浮き彫りになっている。政府は、各国と十分に連携しながら規制や対策を進めなければならない。