きょう9月1日は「防災の日」である。

 1923年のこの日、関東大震災が起きて10万人以上が犠牲となった。その災禍を風化させず、教訓として生かすために制定された。

 防災の日を機に、災害対策を再確認し、心構えを新たにしたい。

 徳島県で最も懸念されているのが、南海トラフ巨大地震である。

 関東大震災を上回るマグニチュード(M)8級以上の地震が30年以内に起きる確率は、70%程度とされている。最悪の場合は全国で30万人以上が死亡し、経済的な被害は220兆円に上るとの試算がある。

 徳島県の被害も甚大だ。県は、最悪で3万1300人が犠牲になり、建物は11万6400棟が全壊・焼失すると想定している。

 被害を少なくするには、日頃からの備えが欠かせない。津波から素早く逃げるには、避難場所やルートを確認しておくことが大切だ。揺れに対しては、住宅の耐震化や家具の固定などで身を守りたい。

 政府は今春、南海トラフ巨大地震に備え、人命救助に向けた応援部隊派遣や救援物資輸送の方針を定めた応急対策活動計画をまとめた。

 発生から3日以内に、全国から自衛官や消防士ら最大14万2600人を、甚大な被害が想定される徳島など10県を中心に派遣する。

 しかし、道路の寸断などで、支援が届くまで時間がかかることも考えられる。住民は1週間分程度の食料や水を備蓄するなど、自助努力が必要だ。

 これから本格的な襲来時期を迎える台風や、大雪への警戒も怠ってはならない。

 先月、台風11号が徳島県に猛烈な暴風雨をもたらした。上勝町では1時間に約120ミリの雨が降り、避難指示が出された住民は県南部と西部などで約3万人に及ぶ。県西部では、強風による倒木で1万8千戸以上が停電した。

 昨冬には県西部が大雪に見舞われた。積雪による倒木などで道路が通れなくなり、孤立した住民は3市町で1500人を超す。

 市町村は、倒れそうな木をあらかじめ調査し、必要な対策をとってもらいたい。

 住民それぞれも、気象情報のチェックを欠かさずに、早めの避難を心掛けたい。

 きょう、美馬、三好両市にまたがる西部健康防災公園の予定地で実施される県総合防災訓練は、台風の襲来後に南海トラフ巨大地震が発生するといった複合災害を想定している。

 昨年の台風や大雪時に、孤立集落への対応が遅れ、関係機関の連携も悪かったことを踏まえたものだ。電気などライフラインの代替手段の確保や倒木処理などに、約千人が取り組む。

 防災力を高める上で訓練は有効である。実践的な訓練を各地域で積み重ね、減災に努めたい。