徳島県議会9月定例会の代表・一般質問が始まった。

 注目されたのは、地方創生と県内河川の治水・利水対策である。

 飯泉嘉門知事は、地方創生の具体的施策として、政府関係機関の地方移転に意欲を示した。

 消費者庁など国の6機関の誘致を先月、提案したことを踏まえ、人口急減や東京一極集中の克服へ「国・地方挙げての思い切った戦略と力強い実践が不可欠」とした。

 誘致には、全国の他地域との競争や、省庁の激しい抵抗が予想される。

 だが、徳島には全国屈指の光ブロードバンド環境が整備されている。政府関係機関の移転に適した地であることを訴え、実現に道を開いてもらいたい。

 知事は、とくしま回帰の加速に向けて、空き家を「貴重な地域資源」として活用する方策についても言及した。

 移住希望者のための「住宅対策総合支援センター」を来年1月に開設して、専門的な相談に応じたり、空き家が利用可能かどうかを判定したりする。

 移住推進には、住宅の整備が欠かせない。センターを核として、情報の発信、所有者への支援や助言などを推し進め、徳島にゆかりのない人たちも呼び込む流れをつくってほしい。

 県議からは「市町村との連携を一層強化すべきだ」「徳島版地方創生特区実現へ市町村にきめ細やかな支援を」といった提案が出された。

 県側は「仲介役である移住コーディネーターの市町村への配置促進を図る」「アイデアを具体化するために専門家を交えてアドバイスしたい」などと答えた。

 地方創生を実現するためには、安心して暮らせる県土の整備が欠かせない。

 吉野川上流の早明浦ダムの治水・利水をめぐって、四国4県の話し合いが再開されたことは、豪雨・渇水対策が広域的に喫緊の課題であることを示している。

 県議からは、先日の「関東・東北水害」を踏まえて、7月の那賀川流域の浸水被害について質問があった。

 知事は「無堤地区の解消と長安口ダム改造の一体的な整備が急務」と述べた。

 那賀川流域はもちろん、県内河川の危険箇所の改修を急ぐとともに、避難態勢を一層充実させ、住民の安全や安心を確保すべきだ。

 県内河川の治水・利水について知事は、渇水と洪水の深刻な被害に対応する条例を、来年度中に制定する方針を示した。

 本県の特性を考慮し、住民生活を支える条例にする必要がある。

 地方の知恵と工夫が問われる中、県議会には提案力が求められている。質問は県の戦略や手法をただすものが多く、物足りなさが残った。

 女性の活躍推進や観光振興など、さらに突っ込んだ議論をしてもらいたい。