小型無人機「ドローン」の飛行を規制する改正航空法が成立した。12月上旬に施行される。

 実質的に「無法状態」だったドローンに法の網をかぶせるものだ。全国各地で落下事故などが相次ぎ、4月には官邸屋上で見つかるなど、テロにも使われかねないだけに、一定の歯止めをかけるのは当然である。

 一方、ドローンの用途は広がっており、「空の産業革命」をもたらすと期待されている。

 法規制を、安全の確保と活用推進の両立を目指す契機としたい。

 改正法のポイントは、基本的な取り扱いルールを決め、東京23区や地方都市の中心部などの住宅密集地や、空港周辺での飛行を原則禁止にしたことだ。

 飛行は日中に目視できる範囲に限り、祭り会場などで飛ばすことや、危険物の輸送も禁じた。違反した場合は50万円以下の罰金が科される。

 国は規制の細部を詰め、実効性のある内容にしてもらいたい。

 ドローンの形態は多様化が進み、重さが200グラムしかないおもちゃから、産業用の約100キロの大型機まで開発されている。

 改正法成立に伴い、国土交通省はサイズ別の規制に取り組む方針を示した。

 大型機には、機体審査や操縦の資格制度の導入などを検討している。重さ数キロ程度の小型機は、メーカーや業界団体による安全基準づくりや購入者の登録制度など、自主的な取り組みを促す。軽量のおもちゃは対象外とする。

 飛行範囲や墜落時の危険性に応じた安全対策といえる。今後も性能の向上や利用状況を注視し、柔軟に対応していくことが重要だ。

 近年、ドローンの利用範囲は、空撮や災害調査、建築物の点検、警備や物資輸送など急速に拡大しており、行政機関や企業は活用分野をさらに模索している。

 徳島県も検討会を立ち上げ、県の施策への有効な活用方法などを協議している。県内の企業9社は今月、活用法の検討へ「徳島ドローン協会」を設立した。

 アイデア次第で新たなビジネスが生まれる可能性は大きい。過度の規制とならないよう、国は業界団体や事業者と十分話し合い、利用を阻害しない仕組みをつくることが大切だ。

 落下事故や迷惑行為を防ぐためには、操縦技術やマナーの向上も欠かせない。

 研究機関や企業でつくる「日本UAS(無人航空機システム)産業振興協議会」が先月、安全指針を発表した。飛行させてもよい場所や安全な操縦法、事故報告や損害保険の加入などを定めている。

 安全性向上につながる、業界や利用者らの自主的な取り組みは評価できる。

 官民が連携して、ドローン活用の健全な発展につなげてもらいたい。