きょうから新聞週間-。68回目となる今年の代表標語は「ご近所も 世界も見える 紙面から」である。

 これを作った名古屋市の中川栄美さんは「ネットには出ないような地域の小さな話題から世界のニュースまで読めるのが新聞の良さ」と話している。

 この標語のように、徳島新聞は、県内の小さな出来事から地球の裏側で起きている紛争まで、的確に伝えられているだろうか。

 常に自問自答しながら、読者の期待にしっかりと応えていきたい。

 今は「情報過多時代」といわれる。新聞やテレビ、インターネット、雑誌など多くのメディアが膨大な情報を社会に提供している。

 そんな中で、新聞の特長とは何だろう。

 情報の速報性ではテレビやネットが優位に立つ。だが、新聞は、ニュースの価値判断や、どんな意味を持っているのかを論評する力にたけている。取材で培った記者の経験や見識が、そのバックボーンである。

 正確さも強みだ。原稿を何重にもチェックする仕組みがあり、情報の信頼性では読者から高い評価を得ている。今後とも、そうした信用を大切にしていきたい。

 加えて、徳島新聞は、地域に根差した新聞であり続けたいと考えている。

 県内の記事を手厚く掲載するほか、全国ニュースの価値を判断する上でも、心掛けているのは「徳島県民」の視点である。

 住民の思いや地域が直面する課題を伝えようと、「徳島発 幸せここに」や「さまよう未来 超高齢社会の現実」などの連載にも取り組んでいる。地元に密着した紙面作りは、徳島がより住みよい県になるよう後押しするのが目的である。

 今年の標語の佳作に「平和国家 記事で支えた 70年」がある。これは、これまでの反戦の取り組みが認められたものと受け止めたい。

 戦前、新聞は「報道報国(国のための報道)」の名の下に、国民に真実を伝えなかったばかりか、軍部と共に戦意をあおり、日本を戦争に駆り立てることまでした。その反省から、新聞社は「二度と戦争のためにペンは執らない」と誓い、再出発した。

 先月、安全保障関連法が成立した。戦争放棄をうたった憲法9条に違反する疑いが強く、日本の「平和国家」としてのありようをも変えてしまいかねないものだ。

 法案に対しては、徳島新聞をはじめ多くの新聞が社説で問題点を指摘した。しかし、国会で多数を握っている自民党などが、国民の疑問に十分に答えないまま、成立させた。権力の暴走を食い止められなかったのは残念だが、今後も厳しい監視を緩めることはない。

 徳島新聞は、これからも県民と共に歩み続ける。不断の努力を怠らない。