国連はきょう創設70年を迎えた。

 「国際平和と安全の維持」を旗印として1945年に51カ国で発足し、今では193の国が加盟する巨大組織となった。

 しかし、紛争は現在も各地で続いており、その役割を十分に果たせていない。中心的な役割を担っている安全保障理事会が、大国の利害対立によってしばしば機能不全に陥るためだ。

 テロや感染症といった難題も出てきており、対処するには安保理の速やかな意思決定が欠かせない。

 安保理がうまく機能するよう、国連は改革への努力を続けなければならない。

 安保理は、加盟国に対して法的拘束力のある決定を行える唯一の機関である。常任理事国の米国、ロシア、英国、フランス、中国の5カ国と、非常任理事国10カ国で構成されている。

 問題は、常任理事国が自国の利益のために、拒否権を幾度となく行使してきたことである。

 近年では、シリア内戦に関する決議案にロシアと中国が4回にわたって反対し、有効な措置を打ち出せなかった。内戦は深刻化し、多くの人命が失われ続けている。

 拒否権の在り方を見直す必要があるという意見は、加盟国の間で強まりつつある。

 だが、実現へのハードルは高い。国連憲章の改正には、全ての常任理事国を含む加盟国の3分の2以上の賛成が必要だからだ。

 安保理改革をめぐっては、日本とドイツ、ブラジル、インドの4カ国グループ(G4)が先月、新しい案を発表した。常任理事国と非常任理事国の数をそれぞれ増やして、いずれもアフリカに枠を与える案だ。来年9月までの総会会期中に具体的な成果を目指す。

 ただ、同様の案は2005年に米中の反対で廃案になった経緯がある。今回も同じ道をたどる可能性が高い。

 一方、改革の近道として、拒否権に制限を設ける案もある。例えば、虐殺行為が行われている場合には、拒否権の行使を限定するなどだ。これで、人道危機の深刻化を防げるのではないか。

 さまざまな課題はあるものの、国連が70年間で挙げた功績は少なくない。

 国連平和維持活動(PKO)は現在、アフリカや中東など16カ所に展開し、紛争予防などに貢献している。極度の貧困に陥っている人口の割合も、1990年に比べて半減させるなど、生活の向上に大きな役割を果たしたといえよう。

 日本は来年から2年間、加盟国で最も多い11回目の安保理非常任理事国を務める。これまで行ってきた医療や食料援助などの貢献が評価されたものだろう。

 今後も加盟国の信頼に応え、平和憲法を持つ国として、しっかりと責任を果たしていかなければならない。