発達障害の早期発見、教育や就労の支援について、国や自治体の責務を定めた発達障害者支援法が施行されて、4月で10年が経過した。

 徳島県内では、関係機関や専門家による「県発達障がい者支援体制整備検討委員会」が、2015~18年度を計画期間とする初の総合支援プラン策定を進めている。

 発達障害という言葉はこの10年で浸透し、関係機関の取り組みも活発になってきた。しかし、社会の理解は深まっておらず、障害者が抱える「生きづらさ」が解消されたとは言い難い。国や自治体の責務が十分果たされているかを検証し、実効性の高いプランにしてもらいたい。

 発達障害は自閉症やアスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害などの総称である。生まれつきの脳機能障害が原因とされるが、詳しい仕組みは解明されていない。知的、身体、精神障害に属さない「谷間の障害」ともいわれ、位置付けが曖昧だった。

 県は12年、県発達障がい者総合支援センター・ハナミズキを小松島市に開設した。隣接地には、発達障害者のための県立みなと高等学園があり、近隣の医療・福祉機関などと「発達障害者総合支援ゾーン」を形成している。

 今年5月には、美馬市に県発達障がい者総合支援センター・アイリスを開設し、両センターを拠点に、全県で総合的な支援を展開している。

 こうした施設整備を、障害者や家族の支援充実につなげていきたい。

 これまで、対策は乳幼児期に重点が置かれてきた。障害の早期発見が重要なのはもちろんだが、就学、教育、就労など、成長段階に応じた切れ目のない支援が欠かせない。

 そのためには、医師や保健師、教員、相談支援員らの専門性を高めていくことが大切だ。民間も含めて関係機関が緊密に連携しなければ、効果を挙げるのは難しい。

 文部科学省の12年の調査では、全国の通常学級に通う小中学生の6・5%が発達障害の可能性があると推計されている。近年は、大人になってから障害に気付く人が増えているという。

 県の支援センターに相談を寄せる人も、19歳以上の増加が著しく、就労問題が大きな課題となっている。障害の特性に応じた就労準備や、企業に対する啓発・研修による理解の促進が急がれる。

 発達障害は、他人とのコミュニケーションが取りづらかったり、特定の物事に強くこだわったりする特性がある。周囲に誤解されやすく、就労にこぎつけても人間関係がこじれて早期に離職したり、引きこもりやうつ病になったりするケースもある。

 障害を持つ本人や家族が自己理解を深めることも重要であり、そうした支援に力を注いでもらいたい。

 発達障害への正しい知識を誰もが身に付けることで、全ての発達障害者が生き生きと暮らせる社会にしたい。