コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンが、24時間営業の見直しに向け、時間短縮の実験を始める。

 発端となったのは、人手不足で厳しい労働を余儀なくされた大阪府内のフランチャイズ加盟店オーナーの切実な訴えだ。

 公共料金の支払いや荷物の受け取りもでき、いつでも開いているコンビニは、今やなくてはならない社会インフラと言っていい。しかし、働く人に過重な負担を強いるようなシステムは、いずれ限界が来るのではないか。

 便利さと持続可能性を、どう両立させていくのか。実験を、新たな方策を見いだすきっかけにしてほしい。

 声を上げた加盟店オーナーの話は深刻だ。典型的な家族経営で、学生アルバイトが大量に辞め、昨年5月に妻が病死して以降、8カ月で休んだのは3日だけ。やむなく先月、営業時間を午前6時から翌日午前1時までに変えた。

 これに対してセブン側から、24時間に戻さないと契約解除となり、違約金が生じると伝えられた。「死ぬほどつらい」と言うオーナーは、「個々の事情に応じ、営業時間を選択できるようにしてほしい」と求めたが、話し合いは平行線になっている。

 24時間営業には、深夜に買い物をしたい人の需要に応えられるほか、商品の配送や陳列を効率よくできる利点がある。犯罪防止や災害時の物資供給といった役割も大きい。

 コンビニ業界には、深夜営業をやめれば、つられて昼間の売り上げも減ってしまうと危惧する声も根強い。

 だが、疲弊しているのは大阪のケースだけではない。深夜勤務が敬遠され、賃金を上げても人が来ない。上げすぎれば経営が行き詰まる。オーナーらでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」によると、3、4年前から、売り上げよりも人手不足が原因で廃業する店が増えているという。

 そうした中、ローソンが一部の店で時短を認め、ファミリーマートは京都市内で時短の実験を始めた。24時間を貫いてきたセブン側も軌道修正を迫られた形だ。

 実験は全国の直営店10店舗と一部の加盟店で行う。午前7時から午後11時までに短縮する計画だが、時間は一律とせず、柔軟に設定すべきだろう。午前6時台に来客が多いなど、店の立地によって事情はさまざまだからだ。

 セブン側は収益や客数の増減、作業効率などを検証し、加盟店で時短を導入するかどうかを決める。収支面だけでなく、働きやすさや求人への反応の変化にも目を向け、過酷な状態が解消される方向で検討してもらいたい。

 24時間営業の見直しは、スーパーや飲食業界でも進んでいる。問われているのは、「便利さ至上主義」の功罪である。そのサービスは本当に必要なのかどうか。私たち消費者も、意識改革が求められよう。