「1票の格差」が最大2・13倍だった昨年12月の衆院選の議員定数配分は違憲だとして、二つの弁護士グループが選挙の無効を訴えた訴訟で、最高裁大法廷は「違憲状態」との判断を示した。選挙無効の請求は退けた。

 「違憲状態」との判断は3回連続であり、区割り改定の作業が進んでいない国会に、厳しく警告したものだ。

 裁判官14人中3人は「違憲」との意見を表明し、うち2人は「選挙を無効とすべきだ」とした。

 国会は、これらを重く受け止め、1票の格差是正に向けて抜本的な改革を急がなければならない。

 訴訟は、295の小選挙区全てについて、全国14の高裁・高裁支部に計17件起こされていた。

 訴状によると、議員1人当たりの有権者数は、全国最小の宮城5区と比べて最多の東京1区が2・13倍で、徳島1区は1・60倍となっている。

 この衆院選は、徳島など5県の小選挙区定数を削減した「0増5減」で行われた。そのため格差は是正されたが、2倍以上の選挙区は13に上っている。

 訴訟では、投票価値の格差が大き過ぎるかどうか、十分な期間があったのに国会が格差を是正しなかったのかどうかが争点となった。

 今回の判決は、「投票価値の平等に反する状態にあった」と認定した一方、国会の取り組みについては「合理的期間内に是正されなかったとはいえない」と一定の評価をした。

 もう一つ、最高裁が問題としていたのは、過去2度にわたり否定した「1人別枠方式」が実質的に温存されていることだ。

 47都道府県に各1議席を無条件に割り振り、残りの議席を人口比例で配分する別枠方式は、地方の意見を反映させる狙いがあるが、1票の格差是正には妨げといわれる。

 別枠方式の撤廃は決まっているものの、人口が減少し続けている地方への配慮も必要である。

 衆院選挙制度改革をめぐっては、与野党協議で結論に至らず、衆院議長の諮問機関である有識者委員会に検討を委ねている。

 委員会は、衆院議員定数を削減すべきだとする認識で一致しており、年内にも答申案を取りまとめる。

 比例代表では、ブロックごとの定数配分に関し、現行より人口比を反映しやすくなる「アダムズ方式」に変更することで合意した。

 小選挙区の新たな配分方法もアダムズ方式を軸に検討している。

 この方式では、主に東北や九州で減った議席が首都圏を中心に割り振られることになる。議席の大都市集中がますます進み、地方の声が国会に届きにくくなるとの懸念が拭えない。

 答申案には、地方の意見をくみ上げる視点も盛り込むことを望みたい。