徳島県議会12月定例会の代表・一般質問が始まった。

 環太平洋連携協定(TPP)や人口減少、災害など、徳島県は多くの課題に直面している。どう克服し、県勢を発展させていくのか。さまざまな観点から、進むべき道を問う質問や提言が出された。

 注目されたのは、先日大筋合意したTPPに備えた県の対策である。

 発効すれば、農産品の輸入が増えるなど県内農業への影響が懸念されている。徳島の農業産出額の約4割を占める中山間地のほか、家族経営や兼業農家が、より多くの打撃を受ける恐れがある。

 これについて、飯泉嘉門知事は「きめ細やかな対策を講じることで生産者の不安を払拭(ふっしょく)する」とし、基金を創設する意向を示した。

 危機的状況に、いち早く手を打つことが重要である。規模は未定だが、基金をどんな事業に使うのかなど実効性の高いものとなるよう知恵を絞ってもらいたい。

 TPP対策として、県は独自に「TPP対応基本戦略」案をまとめている。その具体化も急ぐ必要がある。

 一方、林業の対策も急務である。

 県内の人工林は半数が50年生を超え、本格的な伐採時期を迎えている。議員からは、輸出振興策をただす質問が出された。

 知事は、10月に韓国で開かれた展示会に出展した県内企業が商談に成功した事例を挙げ「丸太だけでなく、付加価値の高い製品の輸出に取り組みたい」とした。

 林業は山間部の主要産業であるだけでなく、山の手入れが土砂の流出防止につながるなど防災面でも大切である。

 県は、輸出企業を後押しするため、県産材のPRや輸出先の開拓を積極的に行うことが必要だ。来年春に県が開講する「とくしま林業アカデミー」を通じて、即戦力となる人材の育成にも力を注いでほしい。

 県民の暮らしを守る視点からは、河川の治水や環境保全も忘れてはならない。

 計画堆砂量の3倍も土砂が堆積している那賀川の長安口ダムをめぐっては先月、四国地方整備局が「機能保全・技術会議」を開催した。

 近年、雨の降り方が局地化、頻発化、激甚化しており、他の河川でも堆砂が大きな問題となっている。

 長安口ダムの堆砂除去では、技術的な検討が始まったばかりである。除去した土砂の活用法を含め、効率的な方法を探るよう国に強く働き掛けてもらいたい。

 質問では議員が「実力、笑顔、頭脳、行動力、どの部門をとっても、ノーベル賞かその部門のオリンピックがあれば金メダルそのもの」と知事を褒めたたえる場面があった。行政を監視する立場の議員としては、行き過ぎではないか。なれ合う姿勢を県民はどう思うだろうか。

 一般質問と委員会審議では、緊張感ある議論を望む。