徳島市が市立の26幼稚園と30保育所の計56施設の統合を進め、2028年度をめどに16程度の認定こども園として整備する方針を示した。

 少子化の急速な進展や共働き世帯の増加によって、保護者のニーズは多様化している。施設も老朽化するなど問題は山積しており、幼稚園と保育所の在り方も見直していく必要がある。

 市は行財政健全化計画に基づき、保育所の再編や民間移管を実施してきた。同時に私立認可保育所を含めた総定員を増やし、乳児保育や延長保育も順次導入した。

 それなのに、待機児童は一向に解消されないのが現状だ。0歳児と1歳児を中心に10月1日時点で86人に上る。

 幼稚園は園児数の減少傾向が続いているため、本年度から新たに1園を休園にした。市は、幼稚園に求められる教育効果を上げるには、各園で一定規模の園児数を確保する必要があるとしている。

 認定こども園は、教育と保育を一体的に受けることができる施設だ。保護者の就労状況が変化しても、継続して通えるなどのメリットがあり、国が普及に力を入れている。

 市内の15中学校区ごとに1カ所(南部中校区は2カ所)整備する方針だが、財源の確保や、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を持つ人材の育成といった課題がある。

 統合によって子育て施設が地域からなくなることには、住民の反発も予想される。通園距離が長くなったり、小学校との連携が失われたりすることを、保護者が不安に思うのは当然だ。

 市は11年度、園児の減少などを理由に内町幼稚園を閉園する方針を固めていたが、住民の反対で白紙に戻さざるを得なかった。

 再編をスムーズに進めるためには、保護者らに将来ビジョンを示し、きめ細かく情報提供しながら、理解を得ていく姿勢が求められる。

 4月に国の子ども・子育て支援新制度がスタートしたのに合わせ、市は19年度までの5年間を計画期間とする「子ども・子育て支援事業計画」を策定した。「保育の量的拡大・確保」など三つの基本理念を掲げている。

 喫緊の課題となっている保育士不足を解消するため、市は処遇改善や、離職した保育士の復職支援を急ぐべきだ。

 認定こども園への統合を進めながら市全域で教育・保育水準を高めるには、私立の子育て施設との役割分担を明確にすることも欠かせない。

 障害のある子どもへの配慮、低所得者世帯の負担軽減も重要な視点である。保育料減免や医療費助成といった支援を拡大してはどうか。

 施設の再編や子育て支援の在り方を検討するに当たり、市は幅広い層の意見をくみ上げる必要がある。

 子どもたちの将来と、安心して子育てができる環境を最優先し、少子化の流れに歯止めを掛ける施策に力を注いでもらいたい。