徳島県阿南市出身の脚本家旺季志ずか(おうき・しずか)さんが、吉本興業のお笑いタレントらが参加するアイドルグループ「吉本坂46」の一員として活動している。アイドルとしては遅咲きながら、慣れない歌やダンスを全力で楽しみ、やりたいことを強い意志で貫く旺季さんの姿は、多くの女性に勇気を与えている。キャンペーンのため帰省した旺季さんが、誰もが驚いた挑戦の経緯や活動の感想を語ってくれた。

 -吉本坂46のオーディションに応募したきっかけは。
 アイドルになりたかった訳ではなく、総合プロデューサーの秋元康先生が、男女混合で年齢不問というコンセプトの中で芸人さんたちををどうやってアイドルにしていくのかという手法に興味があって応募しました。
 それでも、審査で得意の阿波踊りなどを披露すると皆さんがすごく応援してくれて、人気投票で1位になれたので、どうせやるならやれるところまでやろうと思いました。

 -旺季さんの挑戦に勇気付けられている女性も多いようだ。
 オーディションでは苦手な歌や水着にも挑戦したんですが、それを見た高齢の女性から「しーちゃん(旺季さんの愛称)を見ていたら、自分もまだいけると思えて勇気をもらった」という声をたくさんいただきました。
 私が合格すれば女性たちがやりたいことを我慢せず、自分らしくあるための一歩を踏み出す勇気を与えられるかもしれないと思うと、一番のモチベーションになりました。

 -約6000人の中で合格者46人に入った。
 最終面接で秋元先生に「私は年齢もいっているし、結婚もしているし、人生もハチャメチャで破天荒な性格なので、既存のアイドルの枠には入れません。でも、入れないからこそ、入らないアイドルになります」とアピールしたんです。
 いわゆる文化人だけど、文化人らしくない。そんな変わったところを評価していただけたのかもしれませんね。オーディションを頑張ってきたので、合格と聞いた時は本当にうれしかったです。

 -アイドルとして活動してみた感想は。
 いつも厳しい競争の中に置かれていて、自分が輝くための努力を続けている。並大抵の気持ちではできない職業で、尊敬します。
 私は表題曲を歌う選抜メンバーに入れず、正直悔しかったです。ベテランの男女11人でつくる「ビター&スイート」というユニットで「抱いてみるかい?」という曲を歌っているんですが、本当に良い曲だけに、表題曲のように多くの人に聞いてほしいです。

 -歌やダンスで苦労はしていないか。
 オーディションのダンス審査で膝を痛めたんですが、自分がこんなに踊れるんだという発見がありました。歌もずっと音痴だと思っていたのに、初めてボイストレーニングに行ったら先生から「音痴じゃない」と言われて自分の声に自信を持てるようになった。
 自分のコンプレックスだった歌やダンスが、やってみたらすごく楽しくて、新しい自分に出会うことが喜びになっています。

 -ライブや握手会にも参加している。
 2月に東京都の東京ビッグサイトであった発売記念イベントに出演した際は、約3000人のファンの方が集まってくれました。
 大勢の前で歌うのは初めてで、足を痛めてダンスレッスンがあまりできなかったので間違えたところもありましたが、お客さんがすごく喜んでくださって楽しくパフォーマンスできました。握手会にも多くの方が来てくださって、感謝の気持ちでいっぱいです。

 -脚本家などの仕事との両立は大変では。
 大変でもあり、面白くもあります。これまでは自分の中に深く入って小説を書いていたんですが、時間がない分、リラックスして書くようにすると、軽いタッチの作品が書けるようになったので、両立することで良い効果が生まれています。
 アイドルの経験を生かして、吉本坂のメンバーがアイドルになる過程を描いたミュージカルの脚本や、アイドルの裏側を描いた小説も書いてみたいです。

 -アイドルとして活動する上での目標は。
 現在の「ビター&スイート」のような大人の顔ぶれで、激しすぎない曲調でという前提ですが、選抜メンバーに入りたいです。どうせやるなら、握手会でたくさんのファンが並んでくれるような人気者にもなりたい。
 私はこれまで体験したことがない新しいことをするのが好きなので、米津玄師さんに続いて徳島からNHK紅白歌合戦に出場して、舞台の上から客席を見てみたいです。

 -県民にメッセージを。
 私の言動はユニークだと言われることが多いんですが、瀬戸内寂聴先生なんかもそうですが、これは阿波女の血だと思いますし、古里・徳島に対する愛はとても深いです。
 これからも阿波女を代表するつもりで頑張って活動していきますので、ぜひ県民の皆さんに応援していただきたいです。アイドル界で注目される存在になって、徳島のことも発信していきたいですね。