今年も残りわずか。振り返ると、「徳島」をめぐるニュースのいくつかが、全国に大きな波紋を広げた。

 まず挙げられるのが、参院の「1票の格差」を是正するための合区である。

 「徳島・高知」など4県・2合区を柱に、選挙区定数を「10増10減」する改正公選法が7月、成立した。来年夏の参院選では、徳島と高知の有権者は、県の垣根を取り払って1人の参院議員を選ぶことになる。

 最高裁は2013年の参院選を「違憲状態」と断じており、参院は選挙制度の抜本改革を目指していた。だが、合区という小手先の数合わせでお茶を濁したことに、強い憤りを覚える。

 1票の格差を是正する代償に、地方の声が中央に届きにくくなっていいはずがない。合区を来夏だけの暫定的な措置とし、地方軽視の制度を改めるべきだ。

 交通弱者の安全対策の在り方に一石を投じる悲劇も起こった。

 徳島市の市道で10月、全盲の男性が、バックしてきたトラックにはねられて亡くなった。トラックには後退時に警報音を鳴らす装置が付いており、スイッチが切られていなければ事故を防げたのではとの思いを拭い切れない。

 事故を受けて定められた県条例は、車に警報音の装置が付いている場合には使用を義務付けた。県は、警報音作動を義務化する法整備も国に求めている。こうした徳島発の動きを、障害者と健常者が共に暮らしやすい社会をつくる契機としたい。

 2月の地震では、南海トラフ巨大地震への心構えが、あらためて問われた。

 地震は、県南部を震源とし、牟岐町で震度5強を記録した。1996年に震度階級が現在の10段階に変わって以来、県内で記録した最も強い揺れである。

 しかし、避難行動をとった住民は少なかったという。発生後すぐに津波の恐れがないことが伝えられたためとみられるが、その判断に油断はなかったか。

 情報が正しくないことや、もっと強い地震が発生する恐れもある。そういった可能性に留意することが大切だ。

 7月には、那賀町と阿南市が台風11号の豪雨で大規模な浸水に見舞われた。被害は2年連続で、豪雨は頻発化の傾向にあるようだ。

 大雪や竜巻などによる災害もある。それぞれへの対策を再確認したい。

 来年に期待が膨らむ明るい話題もあった。

 国の天然記念物コウノトリのつがいが5月、鳴門市大麻町で巣作りをしていることが確認された。ひな誕生の朗報を待ちたい。

 来夏のリオデジャネイロ五輪での県人選手の活躍も楽しみだ。ライフル射撃の山下敏和選手と、陸上女子マラソンの伊藤舞選手が出場権を得た。しっかり調整し、万全の態勢で大会に臨んでほしい。