夢が膨らむニュースだ。勝浦町で肉食恐竜の化石が見つかった。中四国では初めてだという。1億年以上も前の話をするのに、「中四国で」と限定するのも、スケール感としてどうだろう、とは思うが、「初めて」を強調したいのはマスコミの常

 頭をよぎるのは、恐竜による町おこしが盛んな福井県である。2000年に開館した勝山市の県立恐竜博物館は、もうすぐ来館者が1千万人を数えるそうだ。20年とたたないうちに北陸有数の観光地に成長した

 勝浦も、と即物的な効果を期待するのは、これまたマスコミ、いえ、これは当方の悪い癖。太古のロマンに余計なものを持ち込んじゃいけないよ、とかなたから聞こえてきそうだが、どうしても欲が出てしまう

 化石の主は、体長2メートルほどで、子どもだった可能性もある。白亜紀前期(約1億3千万年前)の、ボーンベッドと呼ばれる恐竜化石を含んだ地層から出た。専門家によると化石の埋蔵量は豊富だという

 同じ場所から、草食恐竜やサメ類の歯、亀の甲羅、貝と、海陸の化石が取り混ぜて見つかった。当時の勝浦は河口周辺に位置していたらしい

 本格的な調査はこれからというが、勝浦の恐竜は問いかけているようにも思うのである。徳島に眠っているのは化石だけですかね、と。こちらの方は、全県で発掘調査の必要あり、だ。