咲き誇る蜂須賀桜が町の明かりに照らされ夜空に映える=徳島市の徳島中央公園

 「そろそろ見頃になっとるでよ」と聞いて、徳島市の中央公園に出掛けた。お目当ては公園北側の助任川に沿って植えられた蜂須賀桜の並木だ。

 21本の蜂須賀桜が小道の両側に並び、ピンク色のトンネル状になる様は美しい。散歩している人から「夜もええよ」と勧められ、日が暮れてから再び訪れた。助任川に街の明かりが映り、桜並木は近くにあるテニスコートの照明を受けてライトアップされているように浮かび上がる。

 行き交う人が多い。花が咲き始めると、通勤時などにわざわざ通る人もいるそうだ。公園を周回するランナーの姿も目立つ。

 蜂須賀桜はカンザクラ系の園芸品種で、徳島城に植えられていた。廃城になり、1872(明治5)年に徳島市かちどき橋の原田家に移植された。2000年代に入り、市民による普及活動が行われ、原田家の桜から接ぎ木されて各地に苗木が植樹された。

 ソメイヨシノに比べて、開花時期が2月下旬から3月上旬と早いのが特徴。これまで県内外に約3800本が植えられ、「春を告げる徳島の顔」にもなった。母樹でもある原田家の蜂須賀桜は9、10両日、一般公開される。