大勢の鉄道ファンに見送られ徳島駅からラストランに出発する特急「ホームエクスプレス阿南」=15日午後6時ごろ

 牟岐線の徳島―阿南間を結び、JRグループでは運行距離が最も短い特急だったJR四国の「ホームエクスプレス阿南」が15日、最後の運転を迎え、ラストランを見届けようと鉄道ファンが徳島、阿南両駅に数多く詰め掛けた。16日のダイヤ改正で廃止されたためで、JR四国が定期運行していた特急を廃止するのは初めて。

 ホームエクスプレスは2008年に運転を開始した。運行距離は24・5キロで所要時間は27分。JRグループでは、車両基地に向かう新幹線を特急扱いした博多南線(福岡県)など特殊な例を除き最短だった。当初は2往復運行し、12年からは1往復となった。2両編成で、国鉄末期の車両を使っていた。

 JR四国の昨年の調査では、1便100人の定員に対し、乗客は多いときでも平日約30人、休日の上りは10人に満たなかった。一方、この区間の普通列車は1便当たり90人近くが乗車しており、普通列車の方がニーズが高いと判断した。

 牟岐線はホームエクスプレスの廃止などで特急を減便し、16日から徳島―阿南間で日中に30分間隔で普通列車を走らせる「パターンダイヤ」を導入する。単線のため特急があると規則正しいダイヤも組みにくかった。

 午後6時35分に阿南駅を出発した最後の列車には約50人が乗車し、ファンが名残を惜しむように写真に収めていた。

 毎日利用していたという阿南高専5年の田上大祐さん(20)=徳島市上八万町中山=は「普通列車は時間がかかるのでなくなると不便。座れるのもありがたかった」と残念そう。長野県から来ていた中学2年の小野祥太朗さん(14)は「日本一短い特急に最後に乗れて良かった」と話した。