JR四国の特急列車に、約30年ぶりの新型車両2600系がお目見えしました。8月12日から始まる徳島市の阿波踊りに合わせて運行されるのを前に、11日に高徳線の高松駅~徳島駅で、「営業運転1番列車乗車ツアー」が実施されました。

2009年から2012年まで徳島新聞夕刊に掲載された「鉄姫のとほほ・・・旅」を担当した超インドア派アラサー女性記者が、5年ぶりに鉄姫に復帰。徳島駅での出発式の模様をリポートします。

●「鉄姫のとほほ・・・旅」アーカイブ●

姫は姫でも「鉄姫」ほど不名誉な称号はないだろう。「貧乏神」と同じくらい不名誉だ。

鉄道にはそれほど興味がない、暇さえあれば家でごろごろしていたい超インドア派なのに、鉄道マニアの先輩カメラマンに振り回される、悪夢のような鉄道ルポ?「鉄姫のとほほ…旅」。ごくごく一部で人気を博したようだが5年前に連載を終了し、鉄姫を引退してインドア生活を満喫していた。

その平穏を破ったのはもちろん先輩だ。ニヤニヤと近寄ってきて「新型特急が来るぞ♪」という。「嫌です」「無理です」「忙しいです」と矢継ぎ早に断る。記者は順調にあつかましく成長し、先輩にはきっぱりはっきり断ることが最重要だと心得ている。

が、先輩も負けてはいない。「ワシは阿波踊り前夜祭に行かないかん。鉄姫が代わりに行くんじゃ!」と強権発動。「ちゃんと動画撮ってこいよ」と捨て台詞まで残して・・・。

というわけで、先輩に押し切られて1日限りの鉄姫復帰。新型特急車両2600系の取材へ。乗車はせずに、徳島駅に発着する様子を撮影することになった。

新型車両は高松駅を9時47分に出発し、11時43分に徳島駅に到着する。

その後車庫に入れた後、13時35分ごろにホームに入線。徳島駅で出発式をした後、高松駅を目指し13時54分に出発する。

30度を超える蒸し暑さの中、姫が11時半ごろに徳島駅に到着すると、すでに鉄道ファンがカメラを手にあちらこちらにスタンバイしていた。ホームに入る新型車両をばっちり押さえようと準備に余念がない。高松駅からの乗客を出迎えるために徳島市のイメージアップキャラクター・トクシィの姿もある。

いよいよホームに4両編成の特急が入ってくる。赤と金色のラインが描かれた車両に、一斉に向けられるたくさんのカメラと、手を振って歓迎する人たち。扉が開くと、満足そうな笑顔の乗客がゆっくり降りてきた。夏休みなので親子連れも多い。

(先輩のマニアックな鉄道講釈さえなければ、まっさらな新型車両の旅はきっと楽しいんだろうな)・・・と思いつつ、最初のミッション「車内の動画撮影」の準備をする。

徳島駅に到着。車内を撮影できる時間はごくわずか

車内を撮影できるのは、乗客が降りてから車庫に入れるまでの数分間。

車内

からっぽの車内で黙々とカメラを構えてミッション完了。ホームではトクシィや駅長らと記念撮影する乗客の姿も。車庫に向かう車両を見送り、午後の出発式を待つ。

13時20分ごろ、再び徳島駅ホームへ。午前の到着のときよりも明らかに人が多い。

乗車する人、撮影する人でホームはあふれている。乗車するまでの時間をギリギリまで有効に使って、さまざまなアングルの写真を撮り尽くしている。

多くの鉄道ファンが詰めかけた出発式

出発式では、客席シートが2色であること(えんじと紺)、徳島市の阿波踊り(12~15日)の臨時列車として運行することなどが紹介され、乗客代表に記念品が贈られた。

乗客代表に記念品が贈られる

最大のミッションは「出発する新型特急の撮影」。徳島駅の松尾勉駅長の出発合図で、いよいよ特急が動き出す・・・。ホームで見送る人たちも車窓から見える乗客も、笑顔で手を振っている。汽笛の大きさにびっくりしたけど、きっと動画はぶれていないはず…(願望)。

先輩から出されたミッションはクリアした。

会社に戻ると、阿波踊り撮影を終えた先輩から「ちゃんと特急は撮れたんか?」とエラそうに確認された。「映っています」と答えた。が、鉄道マニアを満足させられるモノが撮れたかどうかは分かりません。「今回の特急車両は…」と続く先輩恒例の講釈は聞こえません。

姫のミッション成果物(=動画)は、先輩の指令に巻き込まれた同僚記者が撮影した走行風景とくっつけて公開されることになった。嬉々として編集する先輩…めんどくさい。

動画の編集中、複数の同僚から「あれ?鉄姫復活??」と聞かれたけど、「今回限りです!」と苦い顔できっぱり否定した。本当に今回限りで済むのだろうか・・・。不安はぬぐえない。(姫)

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