昨年1月に徳島県阿南市那賀川町三栗の民家が全焼し、住人の女性=当時(82)=が死亡した火災で、現住建造物等放火罪に問われた孫の無職被告(21)に対する裁判員裁判の論告求刑公判が18日、徳島地裁であった。検察側は懲役10年を求刑し、弁護側は無罪を主張した。

 検察側は論告で「精神科医の証言などから完全責任能力が認められる」と指摘。「祖母に財布のお金を盗んだことを問い詰められ、仕返しで犯行に及んだ動機に酌むべき点はない」と述べた。

 弁護側は最終弁論で「自閉症スペクトラム障害の影響で火が燃え広がる可能性を認識できておらず、責任能力もなかった。無罪とし、社会で教育する機会を与えてほしい」と訴えた。被告は「おばあちゃんに対しては、ごめんなさい」と最終陳述した。

 起訴状によると、昨年1月18日午後、仏壇の造花に多目的ライターで火を付けて、木造2階建ての自宅を全焼させたとしている。