参院選があす公示される。 徳島・高知選挙区(改選数1)は、憲政史上初めて合区となった。

 県の枠組みを取り払って、徳島・高知両県で1人の参院議員を選ぶ合区に、有権者の間では戸惑いもあるようだ。

 大切なのは、候補者を十分に吟味し、1票の権利を行使することである。

 18歳以上の高校生を含む未成年者にも選挙権が与えられる。選挙の仕組みをよく学び両県の代表を選んでほしい。

 候補者には、小まめに演説を重ねるなどして、広がった選挙区の有権者に主張を伝える努力が求められる。

 スムーズな投・開票の実現に向け、選挙管理委員会など関係機関は、しっかりと合区を周知する必要がある。

 合区は、「1票の格差」を是正するために、人口が少ない隣接した選挙区を統合する措置だ。他に鳥取・島根選挙区も合区となった。

 最高裁が、前回2013年参院選の最大格差4・77倍を「違憲状態」と判断したのを受け、15年7月に2合区を含む選挙区定数「10増10減」の改正公選法が成立した。15年国勢調査の速報値では、格差が3・075倍に縮小する。

 だが、合区はその場しのぎという感を拭えない。都市部への人口集中が続く限り、何度も格差是正が必要になるからだ。

 そもそも、文化も風土も違う2県を数合わせで合区するのは乱暴な話だ。人口の少ない方の県が、地元から参院議員を出しにくくなる懸念もある。一方で、大都市圏では改選の度に複数の議員を選出できるのだから、地方が不公平感を強めるのは当然だ。

 国会議員の「身を切る改革」が、地方住民の代表を削減することでは困る。

 全国知事会は、合区解消策として、憲法を改正し参院を「地域代表制」とする各党への提言を検討した。だが、反対論もあり「合区の問題や参院の地域代表制のあり方について検討すること」とした。

 憲法を改正するよりも、参院定数を増やし、格差を是正する方が現実的だろう。

 徳島・高知の有権者を対象に、徳島新聞社と高知新聞社、四国放送、高知放送が5月に行った世論調査では、両県で合区制度に反対が65・3%、賛成は20・5%だった。

 合区への抵抗感が根強いのは明らかだ。地方住民の意思を軽視した合区は今回限りとすべきであり、都道府県代表を出せる選挙制度にしたい。

 徳島、高知両県の参院合同選挙区選挙管理委員会は、合区の周知や投票を呼び掛ける啓発ポスターを作った。阿波弁で「変わったけん気いつけてなあ」、土佐弁で「投票に行くぜよ!」と有権者に訴えている。

 隣り合っているとはいえ、互いの情報も乏しい両県である。共に選挙区への理解を深めながら、代表を国会に送り出したい。