逮捕された畜産業者の牧場=吉野川市鴨島町

 和牛の受精卵と精液が中国に不正に持ち出された事件で、大阪府警は20日、家畜伝染病予防法違反などの疑いで、受精卵などの流出元とされる吉野川市鴨島町の畜産業の男(70)を逮捕した。府警は流出ルートの全容解明を進めており、逮捕者は3人目。

 逮捕容疑は、大阪府藤井寺市の飲食店経営の男(51)=逮捕済み=らと共謀。昨年6月29日、家畜防疫官の輸出検査を受けずに、和牛の受精卵入りストロー235本と精液入りストロー130本を凍結保存容器に入れて大阪市住之江区の港に停泊する中国行きのフェリーに積み込み、不正に輸出した疑い。

 畜産業の男は「注文を受けて受精卵などを販売したのは間違いないが、不正に国外に輸出されるとは知らなかった」と容疑を否認している。

 府警は、飲食店経営の男が過去の受精卵輸出時に大阪市の港で畜産業の男と会ったと供述していることなどから、畜産業の男は受精卵や精液が海外に輸出されると認識していたとみている。

 府警生活環境課によると、畜産業の男は数年前から別の男に受精卵などの取引を持ち掛けられ、複数回販売。受精卵などの準備ができると、飲食店経営の男に連絡して大阪まで運んだり、この男が徳島まで受け取りに来たりしていたという。逮捕された男2人は取引時に面識がある程度で、取引を持ち掛けた男が逮捕された2人に指示していたようだ。

 府警は2月初旬に吉野川市の畜産業の男宅などを家宅捜索し、今月9日、飲食店経営の男と運搬役の無職の男(64)=大阪市住吉区=を逮捕した。飲食店経営の男は「過去数年間に複数回、不正に受精卵などを持ち出した」と供述。府警は少なくとも5回は持ち出したとみて捜査している。