徳島市の阿波踊りを主催する阿波おどり実行委員会(松原健士郎委員長、7人)が、踊り運営の実務を今夏から民間事業者に委託するとして2月から行っていた事業者募集が20日、締め切られた。実行委によると、応募したのは1団体だけだった。現段階では団体名を明らかにしていない。26日に選定委員会を開いて事業計画書を精査した後、28日の実行委で最終的に委託するかどうかを判断する。踊り事業に長年携わってきた徳島新聞社は「委託業務の内容を精査した結果、収支・運営面で多くの課題がある」として応募を見送った。

 選定委員会では、公認会計士や弁護士ら委員5人が、応募団体のプレゼンテーションを聞いた上で事業計画を審査する。「地域活性化への貢献度」「効率的な運営」などの観点から1人当たり200点満点で採点し、応募のあった団体を「委託候補者」とするかどうかを判断する。

 その後、実行委は28日午後3時から市中央公民館で非公開で会議を開き、選定委の結論を踏まえて審議し、この団体に委託するか否かを決める。委託先に決まった事業者名や審査結果は、同日中に実行委のホームページで公開される。

 事業者募集は2月26日に始まり、その前日の応募者向け説明会には、県内外から13団体が参加していた。

 踊り事業の民間委託は、事業収支の責任を行政ではなく民間事業者に全て負ってもらうことを目的に、昨秋から踊り運営の課題を検証していた有識者会議(豊永寛二委員長、6人)が今年1月に実行委に提言した。実行委は2月1日の会合で、今夏からの委託を目指すことを決めていた。

 28日の実行委で正式に委託先が決まれば、4月1日から委託業務を始めることになる。

 ただ、委託業務の内容を示した要求水準書(仕様書)では、チケット料金や演舞場の数などがあらかじめ決められ、事業者の裁量がほとんどない上に、収支に関係なく毎年500万円の納付も義務付けられるなど、厳しい条件が並ぶ。受託事業者がこうした条件下でいかに運営していくかが注目される。

 実行委事務局を務める市経済部の吉岡健次部長は「応募があったことに安心している。選定委で厳正な審査を行い、実行委で決定したい」と話した。

仕様書精査、収支・運営面で多くの課題 徳島新聞社 

 徳島新聞社は長年、徳島市の阿波踊りの企画・運営に携わり、観光阿波踊りの発展に貢献してきたと思っています。県紙として、引き続き阿波踊りの振興に関わることで「徳島創生」の一翼を担えればと、事業委託への応募を検討してきました。

 しかし、業務内容を定めた仕様書を精査した結果、収支・運営面ともさまざまな課題があり、弊社が考えているような阿波踊りの実現が難しいことから、今回は応募を見送ることにしました。

 ただ、「徳島の宝」である阿波踊りを支えていくという方針は今後も変わりません。