ふるさと徳島に貢献した団体などを顕彰する「第53回徳島新聞賞特別賞」に選ばれた、女性2人組ロックバント・チャットモンチー。県内でのイベントのため帰郷したメンバーの福岡晃子さんに、受賞の感想と徳島への思いを聞いた。(聞き手=生活文化部・橋本真味)

―受賞の感想を。

バンドとして徳島で賞をもらうのは「はな・はる・バンドコンテスト」グランプリ以来です。記念の盾を受け取って、賞の重みを実感じました。とてもうれしいです。

―これまでの活動を振り返って。
「音楽をすることが楽しい」というのが一番の糧でした。それと、東京に行ったからにはただでは帰らないという気持ち。
音楽で何かを残すために行ったという気持ちは強かったかな。

―上京直後と今で、徳島に対する思いは変わった。
(徳島が)めっちゃいい所やと思います。徳島は時間の流れがゆっくりで安心できます。
東京でのんびりしていると、置いて行かれるという思いや罪悪感があるので。
ここ数年、徳島を行き来して自分らしさが取り戻せたと感じます。
何にもない時間を大事にしていたいという気持ちを思い出しました。

―古里でのイベントで印象深いのは。
(昨年のデビュー10周年記念イベント)こなそんフェス。規模が大きいし、気持ちも込めました。10年くらい東京でやってないと、徳島の人に認められないんじゃないかと思ってて。「東京でかぶれたやつが帰ってくる」と思われたら嫌やなあと(笑)。10年経ったからやってみよう思ったんです。
そうしたら徳島の人たちがめっちゃ喜んでくれて。

たくさんの人の笑顔が見られてすごくうれしかった。
県外のお客さんに来てもらうのも目的だったけど、徳島の人に喜んでもらうのが大きな目標でした。

―イベントを終えて、どう思った。
より徳島を身近に感じられるようになりました。私たちが面白いと思ったことを、徳島の人が共感してくれると実感しました。特に、音楽ライブとお笑い芸人さんの出演を交互にしたサンドイッチが徳島の人にもはまったみたい。

―最新シングル「Magical(マジカル) Fiction(フィクション)」のカップリング曲は、阿波踊り調のカバー曲。周囲の反応は。
ウルフルズさんの「かわいいひと」のカバー。ウルフルズの皆さんには「チャットらしい」とすごく喜んでもらえました。カバーアルバム参加の依頼が来た時、2人でくせを強めに出していこうと話し合って。ここぞとばかりに、阿波踊り色を出してみました。

―「チャットモンチー=徳島」のイメージが定着している。
一緒に仕事をする人には、高確率で徳島出身だと知ってもらっています。方言も直ってないし。徳島PRのためにあえてではなくて、(チャットモンチーの)2人でいると阿波弁が自然なんです。「阿波弁いいな」とよく言われます。指摘されたら「なまってない」って言います(笑)。

古里への思いを語る福岡さん=徳島新聞社(秋月悠撮影)

―最近の徳島について思うことは。
ここ10年で徳島は「変化」が起こっていて、私自身が知らないことが多いんです。移住者が増えていたり、移住促進のプロジェクトがあったり。もっと知りたいと思って、勉強がてら動き回っています。帰ってくると、同級生と関われたり県内のいろんな人とつながれたりして楽しいです。

―徳島市内に交流スペース「OLUYO(オルヨ)」を開設した。
こなそんフェスが終わって、徳島って面白いと実感したんです。
くせが強い人が多い(笑)。一人一人やりたいことを持っている人が多いのに、態勢が整っていないから実現できない。それを実現する場所を作ろうと思って開きました。

―どんな催しをしているか。
毎月何かやっています。例えば、徳島にはない職種で活躍している人のトークショー。特殊な仕事をしている人の話を、徳島で聞けたら良いなという気持ちが漠然とあって。学生さんとかに、「就職以外にこんな仕事もあるよ」と伝えられたらいいなと思ってやっています。どうやって生計を立てているの?とかどんな生活をしているの?とか、小規模ならではの深い話もできるんじゃないかと。

―バンド活動とイベントの両立は大変なのでは。
大変なのは移動だけ(笑)。面白いですね。「チャットモンチーの福岡晃子が何かやっている」という動きを地元の人に見てもらえるのがうれしくて。徳島で他の人がまだやっていないことを企画していきたいです。

―これから徳島でやりたいことは。
ありがたいことに、徳島の人から「こんなんどう?」と言われることが多くて。それに私なりの提案を加えるというキャッチボールをしながら考えていきたいな。音楽を持ってくるイベントは自分たち主導でやるんですけど。こなそんフェスもまたやりたいです。

―次回こなそんフェスの構想は。
準備が「超」大変だったので、いつやるとはまだ言えないんですけど。やります! えっちゃん(メンバーの橋本絵莉子さん)とテレビを見ながら「この芸人さん呼ぼう」とか、次回に向けての話はよくしています。楽しみに待っててください。

ブルーのネイルは徳島らしい藍色を意識したという

(2017年6月29日)