第63回徳島駅伝の号砲がきょう、海陽町の宍喰橋で響く。新春の阿波路を舞台に3日間、オープン参加の名東郡を含む全16郡市が熱いレースを繰り広げる。

 学校や職場、年齢の異なる地区代表の選手が心を一つに、一本のたすきを懸命につなぐ。徳島駅伝は地域の絆を強め、郷土の活力を生む大会として歴史を刻んできた。

 今年は計43区間の265・3キロで、第1日の南方コースでは2年ぶりに那賀コースが採用された。沿岸部から山間部への登り坂をどう攻略するかが、序盤戦の一つの鍵となりそうだ。

 前回、5年ぶり18度目の総合優勝を果たした徳島市は、3日間全て1位の完全制覇だった。5連覇を狙いながら5位に終わった鳴門市がいかに巻き返しを図るのか。個人タイトルは誰の手に渡るのかなど、見どころは多い。

 人口減少で選手が集まりにくい中、各郡市は地域を挙げて選手の発掘や育成に取り組んでいる。実業団選手から伸び盛りの中高生までが、互いに刺激を受けながらチームの結束力を強めてきた。

 本番でも日頃の成果を存分に発揮し、県民に感動を与える走りを見せてもらいたい。

 徳島駅伝の選手からは、これまでに弘山晴美さんや犬伏孝行さんら五輪ランナーが誕生している。東京五輪が3年後に迫り、新たなスター選手が出てくるのを待ち望んでいる県民も多いはずだ。

 前回からユニホームが郡市ごとに統一され、沿道からもどのチームの選手かが一目で分かるようになった。限界に挑み、力を振り絞って走る選手たちを、盛大な拍手と声援で後押ししたい。

 今年は初めて小学生区間(3キロ)が第2日の板野-上板両町間に設けられた。前半1・5キロを女子、後半1・5キロを男子が走る。試行のため総合成績には反映されないが、区間賞も発表される。

 より幅広い世代が親しめる大会として、新たな魅力が加わるのは喜ばしい。児童たちが伸び伸びと走る姿を想像するだけで期待が膨らむ。

 徳島駅伝は1975年の第21回大会で中学生区間、翌年の22回大会で高校生区間をそれぞれ新設した。84年の30回記念大会で女子区間、90年の36回大会では中学生女子区間を設けた。今や中高生ら子どもたちが主役と言っていい。

 小学生区間を定着させることができれば、長期的な視点で選手を育成する足掛かりとなる。競技人口の拡大も図られるのではないか。

 ただ、県内の小中学生の体力は全国平均を下回っているのが現状だ。昨年12月に発表された全国体力テストの結果では、とりわけ持久走が苦手とされた。学校や家庭で体力向上、生活習慣改善を考える契機にしてほしい。

 健康志向からランニングブームは衰える気配がない。走る楽しさ、応援する楽しさを、徳島駅伝をきっかけにもっと広げていきたい。