何ともすっきりしない問題である。神山町が第三セクター「神山温泉」の経営診断を、町と取引実績がない福岡市のコンサルタント会社に随意契約で発注しようとしたことだ。

 後藤正和町長は「特殊な診断業務のため、遂行できる業者がごく一部に限られる」としているが、どんな診断を想定していたのか。

 町議会からは、全員協議会の開催などを求める声が出ている。当然だろう。町は説明責任を果たしてもらいたい。

 発端は、町の地方創生戦略を進める一般社団法人「神山つなぐ公社」が、観光戦略の重要性を唱えたことだ。

 町は経営診断の関連予算300万円を組み、公社の理事が紹介したコンサル会社と契約する方向で話を進めたという。関連予算の半分は地方創生関連の国の補助金である。

 疑問の一つは、なぜ診断が必要なのかだ。神山温泉は黒字経営が続いており、ホテルの稼働率も高い。

 競争入札ではなく、随意契約を選んだのも果たして適切だったのか。透明性や公平性に欠けると言われても仕方あるまい。

 コンサル会社は登記簿上「解散すべき状態」だったことも判明した。町は業者の経営状況を把握するための「指名願い」も受けないまま、顧客情報が分かる「総勘定元帳」を提出するよう、温泉側に迫っていた。

 こうした対応に、疑念を抱く町民は少なくないはずだ。町政に対する信頼が問われている。このままうやむやにしてはならない。