町議会の在り方について、新たな一石を投じたと言える。

 那賀町議会(定数16)が、18万2千円の議員報酬の2万円増額を検討している。

 立候補者の増加につなげるのが目的だ。特に若手の出馬を促すため、35歳以下に限っては毎月の報酬に上積みするほか、期末手当に、扶養家族手当のような形で子どもの人数分を一定額上乗せする案も浮上している。

 県内の町村議会の平均は19万7719円で、那賀町は最も低い。旧5町村の合併による2005年の町発足以来、一度も引き上げられていない。

 とはいえ、厳しい町財政の下で、引き上げに町民の理解を得るのは、容易ではあるまい。

 議員のなり手不足も深刻なようだ。10月に町議の任期が満了する那賀町議会は、次の選挙から定数を2削減し、14にした。それでも、無投票はおろか、立候補者が定数を割る可能性もあるという。

 議員は町政について積極的な提言を行い、チェックするのが務めだ。意欲のある人材が立候補するのが本来の姿であり、報酬を引き上げて立候補を促すのは、窮余の一策の感が強い。

 過疎・高齢化が進む那賀町の現状は理解できる。それほど切迫しているのだろう。

 引き上げの是非の判断は、有識者でつくる町特別職報酬等審議会に委ねられるが、地域の実情を踏まえた論議が必要だ。

 県内では、北島町議会も報酬の増額を検討している。町議の活動は増額に値するに十分なものかどうか。自問自答を怠ってはならない。