近い将来、南海トラフ巨大地震の被害が懸念される徳島県では、地域の実情に詳しい消防団の活動が人命救助に大きな役割を果たすと期待される。一層の充実が急務である。

 心強いのは、近年、消防団で活躍する女性たちが増えていることだ。昨年の熊本地震の際にも評価されたように、災害時には女性ならではの視点が、女性ら災害弱者をケアする大きな力になる。

 徳島新聞の調査によると、2016年4月1日時点の県内の消防団員のうち、女性は188人で、10年前の06年の2・3倍になった。最も増えたのは三好市と那賀町の20人だった。16年度は22の消防団中、12消防団に女性団員がいる。

 とはいえ、消防団を取り巻く環境は厳しく、12消防団では団員が減少した。最も減ったのは那賀町の95人で、女性の踏ん張りが、団員の目減りを食い止めていることが分かる。

 各消防団の定員の充足率が県全体で94・5%と不十分なことも問題だ。その背景には、「少子高齢化」「人口減」「勤め人の増加」などの要因がある。

 そんな状況で、多くの消防団が今後、業務量が増えるとみている。南海地震対策の訓練や水害・土砂災害対応のほか、徘徊老人の捜索を理由に挙げた。

 行政は消防団員の確保に知恵を絞ってもらいたい。報酬額の引き上げなど待遇改善も検討課題となろう。

 サラリーマンらの勤務先などの理解も欠かせない。労使で、就業時間内でも出動しやすい職場環境をつくることが大切だ。